私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2025年02月04日
スーダンにおける貧困と飢餓が加速し、同国では約2,500万人が深刻な食糧不安に直面している。2024年6月時点で、飢餓人口がさらに350万人増加、合計2,460万人を数えた。この数字はスーダン史上最悪の食糧不安を意味している。いうまでもなく、この貧困と飢餓は、農業生産の大幅な減少、経済損失を招く。特にスーダン紛争の開始後、主要作物であるソルガム、キビ、小麦の生産量は前年比で46%も減少した。この減少率は、実に約1,800万人分の食糧供給に相当し、経済損失は13~17億ドルに上る。加えて暴力と経済混乱の長期化は、市場に混乱をもたらし生活必需品の価格高騰を招いている。
これらの状況に対して、国連食糧農業機関(FAO)と現地パートナーが支援活動を行っている。2024年内で同国11州270万人以上に5,000トンを超えるソルガムとキビの種子を配布した。また農業と牧畜に従事する約60万世帯に家畜へのワクチン接種、飼料、獣医サービスを提供し、生計手段を失って貧困と飢餓に陥らぬように支援した。同様にスーダン国内における難民キャンプでは、オクラの種子が優先的に提供されている。
FAOによれば今後の課題は、安全上のリスク、資金不足である。2025年には1億5,670万ドルの資金が必要であり、スーダンの農民、畜産農家、漁師を含む1,420万人に種子、家畜飼料、漁業用品を提供し、栄養価の高い食料を自給できるよう支援を拡大する計画である。
スーダンにおける貧困と飢餓の撲滅には、紛争終結と政治的解決、火急の行動が必要となる。
1. 敵対行為の停止、政治的影響力を活用した解決
2. 飢餓ホットスポットへの人道支援アクセスと商業供給ルートの安全な再開
3. 現地の食糧生産を支援し、回復力を構築するための緊急農業支援
FAOならびに関係支援機関のスーダンにおける貧困と飢餓の撲滅を目指す戦いは一進一退となっている。
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