2025年02月04日

世界銀行による食料安全保障2025見通し

　世界銀行が、最新の食料安全保障状況を更新、発表（2025年1月21日時点）している。以下要約する。

食料価格インフレの状況

　2024年9月から12月にかけて、多くの低所得国および中所得国で食料価格インフレが起きている。依然として高い水準にあり課題となっている。例えば低所得国の72.2％で5％を超えるインフレ（2024年12月13日の前回更新時から3.4％上昇）を記録している。  データがある161か国中43.5％で、食料価格インフレが全体のインフレを上回っている。

農産物および穀物価格の動向

　2024年12月以降、農産物、穀物、輸出価格指数はそれぞれ3％、3％、4％上昇した。主食となる主要農産物については以下となっている。

・トウモロコシ：価格が9％上昇、前年比2％上昇。2020年1月比では24％上昇。 

・小麦：価格が2％下落、前年比10％下落。2020年1月比では3％下落。 

・米：価格は前回更新時と同水準で、前年比16％下落。2020年1月比では26％上昇。 

貿易政策とその影響

　ロシアのウクライナ侵攻以降、各国が課す貿易関連政策が増加している。2025年１月現在、17カ国が22件の食料輸出禁止措置を実施し、８カ国が12件の輸出制限措置を実施した。これらの政策は国内供給を増やすことを目的としているが、世界的な食糧危機をさらに悪化させている。

国際的な取り組みと報告について

　国連食糧農業機関（FAO）の「農産物市場の現状2024」によれば、食料貿易が食生活や栄養状態に与える影響を分析したところ、貿易が不足地域への食料供給安定において重要である。同時に、グローバル化が資源の枯渇や格差の拡大を招く懸念がある。一方、UNOCHA「世界人道概観2025」によれば、毎日２億8,000万人以上が深刻な飢餓に直面している。

　この現状に対して、世界銀行は、食糧安全保障と農業支援に関するプロジェクトを90か国にて展開中。短期的な社会保障の拡大と、気候変動に適応した農業推進などで、長期的回復力の強化を目指している。この介入は２億9,600万人に利益をもたらすと試算されている。

　世界銀行は、食料価格インフレや貿易政策の影響により、食糧不安が深刻化した、と見立てている。貧困と飢餓を撲滅するためには、国際機関と各国政府による協調的な取り組みが不可欠であり、短期的支援と長期的で持続可能な農業支援が同時並行で必要である。

世界銀行による食料安全保障2025見通し

 

　世界銀行が、最新の食料安全保障状況を更新、発表（2025年1月21日時点）している。以下要約する。

 

食料価格インフレの状況

2024年9月から12月にかけて、多くの低所得国および中所得国で食料価格インフレが起きている。依然として高い水準にあり課題となっている。例えば低所得国の72.2％で5％を超えるインフレ（2024年12月13日の前回更新時から3.4％上昇）を記録している。  データがある161か国中43.5％で、食料価格インフレが全体のインフレを上回っている。

 

農産物および穀物価格の動向

2024年12月以降、農産物、穀物、輸出価格指数はそれぞれ3％、3％、4％上昇した。主食となる主要農産物については以下となっている。

・トウモロコシ：価格が9％上昇、前年比2％上昇。2020年1月比では24％上昇。 

・小麦：価格が2％下落、前年比10％下落。2020年1月比では3％下落。 

・米：価格は前回更新時と同水準で、前年比16％下落。2020年1月比では26％上昇。 

 

貿易政策とその影響

ロシアのウクライナ侵攻以降、各国が課す貿易関連政策が増加している。2025年１月現在、17カ国が22件の食料輸出禁止措置を実施し、８カ国が12件の輸出制限措置を実施した。これらの政策は国内供給を増やすことを目的としているが、世界的な食糧危機をさらに悪化させている。

 

国際的な取り組みと報告について

国連食糧農業機関（FAO）の「農産物市場の現状2024」によれば、食料貿易が食生活や栄養状態に与える影響を分析したところ、貿易が不足地域への食料供給安定において重要である。同時に、グローバル化が資源の枯渇や格差の拡大を招く懸念がある。一方、UNOCHA「世界人道概観2025」によれば、毎日２億8,000万人以上が深刻な飢餓に直面している。

この現状に対して、世界銀行は、食糧安全保障と農業支援に関するプロジェクトを90か国にて展開中。短期的な社会保障の拡大と、気候変動に適応した農業推進などで、長期的回復力の強化を目指している。この介入は２億9,600万人に利益をもたらすと試算されている。

世界銀行は、食料価格インフレや貿易政策の影響により、食糧不安が深刻化した、と見立てている。貧困と飢餓を撲滅するためには、国際機関と各国政府による協調的な取り組みが不可欠であり、短期的支援と長期的で持続可能な農業支援が同時並行で必要である。

世界銀行による食料安全保障2025見通し

 

　世界銀行が、最新の食料安全保障状況を更新、発表（2025年1月21日時点）している。以下要約する。

 

食料価格インフレの状況

2024年9月から12月にかけて、多くの低所得国および中所得国で食料価格インフレが起きている。依然として高い水準にあり課題となっている。例えば低所得国の72.2％で5％を超えるインフレ（2024年12月13日の前回更新時から3.4％上昇）を記録している。  データがある161か国中43.5％で、食料価格インフレが全体のインフレを上回っている。

 

農産物および穀物価格の動向

2024年12月以降、農産物、穀物、輸出価格指数はそれぞれ3％、3％、4％上昇した。主食となる主要農産物については以下となっている。

・トウモロコシ：価格が9％上昇、前年比2％上昇。2020年1月比では24％上昇。 

・小麦：価格が2％下落、前年比10％下落。2020年1月比では3％下落。 

・米：価格は前回更新時と同水準で、前年比16％下落。2020年1月比では26％上昇。 

 

貿易政策とその影響

ロシアのウクライナ侵攻以降、各国が課す貿易関連政策が増加している。2025年１月現在、17カ国が22件の食料輸出禁止措置を実施し、８カ国が12件の輸出制限措置を実施した。これらの政策は国内供給を増やすことを目的としているが、世界的な食糧危機をさらに悪化させている。

 

国際的な取り組みと報告について

国連食糧農業機関（FAO）の「農産物市場の現状2024」によれば、食料貿易が食生活や栄養状態に与える影響を分析したところ、貿易が不足地域への食料供給安定において重要である。同時に、グローバル化が資源の枯渇や格差の拡大を招く懸念がある。一方、UNOCHA「世界人道概観2025」によれば、毎日２億8,000万人以上が深刻な飢餓に直面している。

この現状に対して、世界銀行は、食糧安全保障と農業支援に関するプロジェクトを90か国にて展開中。短期的な社会保障の拡大と、気候変動に適応した農業推進などで、長期的回復力の強化を目指している。この介入は２億9,600万人に利益をもたらすと試算されている。

世界銀行は、食料価格インフレや貿易政策の影響により、食糧不安が深刻化した、と見立てている。貧困と飢餓を撲滅するためには、国際機関と各国政府による協調的な取り組みが不可欠であり、短期的支援と長期的で持続可能な農業支援が同時並行で必要である。