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WFPレバノンなどでの「飢餓」警告

 世界食糧計画(WFP)が、中東や周辺地域における紛争が深刻な人道危機を引き起こしていると指摘している。何百万人もの人々が家を追われ、飢餓や貧困に苦しんでいる。WFPは、資金不足やアクセス制限といった課題に直面しながら支援活動を展開中である。
 紛争の影響と避難者の状況は深刻である。ガザでは約200万人、レバノンでは100万人近くが避難を余儀なくされている。さらに、スーダン難民もエジプトやリビアに流入しており、地域全体で避難民の数が増加している。この避難により人々は家や生計を失い、貧困と飢餓状態に陥っている。ガザでは人口の90%以上が深刻な食糧不安に直面し、一部地域では今後6か月以内に飢餓が発生すると予測される。また経済的影響も大きい。ウクライナ戦争が引き起こした食糧価格の高騰は、食糧の購入を困難にし、さらに雇用の喪失も招いて、地域全体が厳しい状況に置かれている。
 WFPの支援活動は、レバノンにおいては緊急食糧支援を100万人規模に拡大し、温かい食事や当面必要になる現金給付を行っている。避難所ではキッチンが設置され、軽食や温かい食事が提供された。またガザでは、支援対象者110万人のうち約45%に支援を届け、35万人以上に880万食を提供した。シリアでは国境検問所やホストセンターを通じて支援を行い、エジプト、リビアでもスーダン難民に対する食糧支援を提供している。
 今後、対応が必要となる課題や準備も明らかとなっている。WFPは、緊急事態に備えた食糧備蓄や物流計画を実施しているが、地域の不安定さにより準備が追いついていない。対策としては即時対応可能な食品備蓄、そのための倉庫設置である。配達時間を100日から3日に短縮する計画がある。
これらを実現するにWFPは支援者、支援国に以下の点を強くアピールしている。

1.最優先は平和の実現である。
2.この危機は国際社会の支援能力を超え始めている。
3.さらなる資金が必要である。
4.必要な支援を展開するために、あらゆるアクセスの安全確保を求める。

 これらのアピールの背景には、資金不足の実態がある。ガザでは物流制限により市場への食糧供給が激減しており、住民は飢餓の危機に直面している。停戦だけが飢餓率を抑制できる。また資金と支援の具体的宛先は、以下である。

- シリアでは2025年3月末までに48万人への5000万ドルの支援が必要。
- レバノンでは2024年末までに100万人への1億1600万ドルが必要。
- ガザ地区およびヨルダン川西岸地区では2024年末までに1億7800万ドルが必要。

 中東地域における「貧困と飢餓」の撲滅のために、WFPの活動が展開されている。

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