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FAOの年度内の目標「4900万人への緊急支援」

 国連食糧農業機関(FAO)は、2025年までに約4900万人の命を救う緊急農業支援を実現するため、19億ドルの資金を要請した。飢餓の危機に直面する人々が自ら食糧生産し、深刻な食糧不安から脱却することが目的である。

 貧困と飢餓の悪化は2024年中にも世界各地で見られた。暴力の激化、例えばエルニーニョ現象などの気候変動は、ガザ、スーダン、ハイチ、マリ、南スーダンなどで飢餓危機を深刻化させた。特に壊滅的な飢餓状況(IPC第5段階)に分類/予測される人口は、2023年/約70万人から2024年内に約190万人と増加するとされる。スーダンのザムザム難民キャンプ、他地域でも飢餓の脅威が迫っている。気候変動は干ばつや洪水を引き起こし、南アフリカ、中米、西アフリカ地域で何百万人もの生活を脅かしている。紛争、気候変動、経済低迷といった飢餓の主たる要因への対策は、国際社会にとって喫緊の課題である。 

 FAOベス・ベクドル事務局次長は、農業支援が飢餓克服の鍵であると強調する一方、農業への人道支援資金の不足を指摘している。このような危機の中で、農業のみが生計となる人々は全体の7割近くを占めるにもかかわらず、農業関連支援に割り当てられる資金は僅少となっているからだ。支援の成功事例として、アフガニスタンの現状がある。同国では2021年から2023年の継続的な資金提供により、深刻な食糧不安を大幅に減少させることに成功した。事実、深刻な食糧不安率は2022年の47%から2024年後半までで、28%に減少している。

 2024年、FAOは人道支援計画の一環として18億ドルを要請したが、実際に得られたのは22%のみである。それでもFAOは約2000万人に支援を届け、農業支援1ドル当たり約4ドルの成果を達成している。例えば、スーダンでは2024年6月以降、11州で約300万人に作物の種子を提供し、よい降雨状況も重なってソルガムの生産量が大幅に向上した。 

 またFAOは気候危機に先手を打つよう注力している。エルニーニョ現象の影響を受ける24か国で170万人を支援し、ソマリアでは洪水予測と堤防建設により、多くの命が救われた。このように事前対策の重要性は強調されるべきである。危機発生以前に支援を行うことで、より効率的かつ効果的な対応が可能になるからだ。FAOは、迅速な支援によって飢餓を抑え、限られた人道資源への圧力を軽減できると訴えている。 

 

Image by Håkon Fossmark from Pixabay

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