イスラエル・ガザ戦争における貧困と飢餓 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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イスラエル・ガザ戦争における貧困と飢餓

 イスラエル組織ハマスは202310月7日、前例のない越境攻撃をイスラエルに実施した。結果イスラエルは、地中海沿岸パレスチナ自治区ガザ地区を空爆、ガザ侵攻を開始。いまだ和平には遠い現状において、国連世界食糧計画(WFP)は、ガザ地区での食糧危機に緊急対応を行っている。

 現地状況は飢餓状態の一歩手前にあり急速に悪化している。早急な対応がなければ飢餓が現実のものとなる。最新報告によると11月までにガザ地区の90%以上の住民が深刻な食糧不安に直面し、そのうちの多くが「壊滅的な」飢餓レベルに到達する見込みとなっている。

 特にガザ北部の食糧不足が深刻化しており、今月ガザに届けられた食糧はわずか5千トンに過ぎない。この配給量はWFPの支援目標値110万人分の20%でしかない。工場、農地、商店の破壊によって、すでにガザの食糧供給システムは機能を失っている。商業に必要な物流は断絶し、食料品売り場は空のままとなっている。

 このような状況に対抗すべく、現在WFPはガザ地区に向けて約9万4千トンの食糧を準備している。しかし4カ月100万人分相当の供給に過ぎない。現在、食糧の半分はアシュドッド港やエジプト、ヨルダンに保管されており、迅速な輸送が望まれているが、安全が確保されなくては輸送できない。

 WFPは先のイスラエル国会で可決された法案に懸念を示す。同法案はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のガザ地区、ヨルダン川西岸地区での活動を妨げ得るものだからである。WFPは、ガザ地区の人道危機にはUNRWAを中心とした包括的で協調的な支援が不可欠だと指摘する。

 現在、イスラエルとガザの戦争状態は、貧困と飢餓の連続的な発生要因であることは疑い得ない。貧困と飢餓の撲滅のために、停戦と早期の生活再建が望まれている。

 

Image by hosny salah from Pixabay

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