私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2024年10月31日
WFP(世界食糧計画)事務局長は「飢餓を終わらせるには平和が必要である」と強調し、コンゴ民主共和国、パレスチナ、スーダンの紛争地における緊急事態において、武力衝突を止めるよう呼びかけている。現地の状況は以下のようになっている。
ガザでの戦争により数百万人ものパレスチナ人が避難を強いられている。家も生活手段も失った彼らは、WFPによれば2024年9月時点、ガザとヨルダン川西岸地区で54万人を数えた。WFPは避難民への食糧支援を提供しているが、ガザ地区36万3000人への支援は量が足りていない。紛争の影響で、ガザ地区の人口の約半分が子どもとなっており、病気、飢餓のリスクは極度に高まっている。早期停戦は人々が生活を再建するための前提条件であり、持続的な平和がなければ、貧困と飢餓の撲滅には手が届かない。
2023年4月15日から続く紛争により、約2500万人が飢餓と暴力に苦しんでおり、約200万人が隣国へ逃れて難民化した。WFPは、これまでに900万人に緊急食糧支援を提供するも戦闘激化により支援活動は困難な状況にある。特にエルファシエルやハルツームでの戦闘が続く中、物資の配送は極めて危険な状態にある。ガザ地区と同様に紛争解決、揺るぎない平和がなければ、飢餓に直面する人々は増える一方となっていく。
東部諸州での紛争が続く中、WFPは2024年に710万人への支援を決定。すでに350万人に支援を提供した。同国ゴマ地域北部の難民キャンプでは、避難民がWFPの支援を受けながら新生活を始めている。難民女性らは、かご編み、簿記などの技術を学び、生活再建を目指している。しかしながら武力衝突が終わらなくては、安全な経済活動の再開は望めない。紛争解決こそが、貧困と飢餓の撲滅への第一歩である。