私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2024年10月31日
国際救援委員会(IRC)は最新報告書において2024年6月から8月において、ナイジェリア人の約16%が深刻な食糧不安や飢餓に直面したであろうと発表した。数値は昨年度に比べて悪化している。これはナイジェリアだけでなく、西アフリカと中央アフリカ全土で飢餓の増加、生活環境の悪化が要因となっている。同地域における分析対象人口の約12%にあたる5200万人 が貧困と飢餓に直面していると換算される。
また2024年9月、西アフリカと中央アフリカの広範囲で深刻な洪水が発生し、約100万人が被害を受けたことも、同地域における貧困と飢餓に拍車をかけている。現状、特にナイジェリア、マリ、チャド、ニジェールなどの国々で、洪水により家屋、インフラ、農作物に壊滅的な被害が出ており、すでに疲弊している地域社会がさらなる困難に直面している。洪水による死亡者は1000人を超え、同時に数万頭の家畜が失われたとみられる。
ナイジェリアのボルノ州ではWFPなどにより約45万人に食糧支援が展開され、温かい食事、栄養価の高い食料の配給支援がなされている。一方、マリでは7万人に現金支給3カ月分を実施。さらに栄養支援も展開される。ニジェールにおいてもナイジェリア同様、洪水被害は深刻であり、住宅崩壊、それによる避難民の増加が起きている。
WFPなど国際支援組織は、被災地域に対して現金給付、食糧配給、栄養サポートを提供しており、今後も洪水や気候変動に対する備えと復興支援のための投資が必要であると強調している。貧困と飢餓の撲滅の前提には、気候変動に対する柔軟性と持続可能性のある社会インフラの構築が必須である。
また同様に経済活動が停滞しないために、まず何よりも安全な食料供給、必要な栄養を摂ることのできる食事が肝要である。ナイジェリアの洪水被害、またアフリカ諸国における飢餓の蔓延に対抗するためにさまざまな支援が展開されている。
UnsplashのMathias Owa Martinsが撮影した写真