飢餓の現状を伝える10の事実(SOFI報告書) | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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飢餓の現状を伝える10の事実(SOFI報告書)

 SOFI(世界の食料安全保障と栄養の現状)報告書は、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)が共同で作成する年次報告書である。1999年以来、SOFI報告書は、飢餓の撲滅、食糧安全保障の達成、栄養改善に向けた世界の進捗状況を監視、分析を報告してきた。またそれは2030年までに持続可能な開発目標を達成するために何が主要な課題であるかを知れる報告書であるがゆえに、政策立案者、国際機関、学術機関、一般市民など、幅広い読者を得ている。以下、同報告書の内容を要約する。

1. 飢餓人口の現状:2023年には約7億3,300万人が飢餓に直面している。これは世界全体で11人に1人、アフリカでは5人に1人に相当する。

2. 地域ごとの傾向:アフリカでは飢餓が増加(20.4%)、アジアでは横ばい(8.1%)、ラテンアメリカでは改善(6.2%)傾向が見受けられる。

3. 未来の見通し:現在の傾向が続けば、2030年には約5億8200万人が慢性的な栄養不足に陥り、その半数はアフリカに住むと予測される。

4. 食料不安の拡大:2023年時点で、すでに約23億3千万人が中度または重度の食料不安に直面し、そのうち8億6400万人以上が深刻な食料不安を経験していた。

5. 健康的な食事の経済的アクセス:2022年には世界人口の3分の1以上、28億人以上が健康的な食事を買う余裕がなかった。

6. 乳児の完全母乳育児率:完全母乳育児率は48%に上昇したが、世界栄養目標の達成は困難な見通しである。

7. 発育阻害の現状:低出生体重児の罹患率は15%前後で停滞し、5歳未満児の発育阻害率は22.3%まで低下した。しかし依然として目標達成には至っていない。

8. 女性の貧血の増加:15~49歳の女性の貧血が増加中で、特に改善が見られない分野となっている。

9. 成人肥満の増加:過去10年間で成人の肥満率が12.1%から15.8%に上昇。2030年までに肥満成人の数は12億人を超えると予測されている。

10. 複合的問題の悪化:紛争、気候変動、景気後退などが重なり、栄養失調の複雑な課題が悪化。健康的な食事の手頃な価格、不健康な食環境、根強い不平等などの問題が影響を増幅させている。

 SOFI報告書から得られる10の事実は、貧困と飢餓の撲滅が如何に重要かを物語っている。

Image by Markus Spiske from Pixabay

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