私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2024年08月01日
国連世界食糧計画(WFP)は、飢餓の撲滅を大きな活動目標としている。WFPの活動を紹介する。
飢餓とは何か?
飢餓は、食糧不足によって引き起こされる不快感や苦痛を意味している。飢餓は食料不安とは異なっている。まず食料不安とは、子どもの心身の発育に必要な栄養素、また活動的・健康的な生活に必要で安全な栄養ある食べ物を定期的に入手できないことを意味している。WFPの2024年内の入手可能な活動データ71カ国分においては、全世界3億900万人の人々が深刻なレベルの食糧不安に直面している。
では飢餓とは何か。飢餓は1万人に2人が病気と栄養失調で死ぬこと、全世帯の20%が極度の食糧不足に直面した状態、また30%の子どもが急性栄養失調に苦しんでいることを意味している。世界食糧計画(WFP)によれば、全世界で急を要する飢餓状態にある人口は47カ国、統計3720万人に上る。
では、飢餓の原因は何か。まず紛争は、飢餓の主たる要因である。紛争は土地と生計手段を人々から奪い、市場を混乱させ、食料価格を高騰させ、今までの開発成果を破壊している。とくにパレスチナ、 スーダン、シリア、イエメン、ウクライナにおいて極度の飢餓発生地域となっている。
また気候変動も大きな要因となっている。洪水、干ばつ、熱波などの急激な気候変動は、人命、生計、作物を破壊し、土壌を劣化させ、農業資産に必要なインフラに被害をもたらしている。
加えて、経済格差が飢餓を悪化させている。一方では貧困世帯は生存に必要な栄養ある食料を入手できない状態にある。他方では毎年世界の食料生産の約30%が失われ、廃棄されている現状はアンバランスと言わざるを得ない。
飢餓はどのように影響するか?
ビタミン、ミネラル、その他の必須栄養素が不足した食事は、数百万人単位の人々の健康と生活に影響する。特に子どもへの影響は甚大である。栄養失調は、健康な子供よりも最大 12 倍死亡する可能性が高くなる。結果、栄養失調は連鎖的に経済成長を鈍化させ、貧困を永続させ、教育と労働スキルの獲得に影響を与えることになる。つまり飢餓は、国の人的資本と将来の開発に悲惨な結果をもたらすことになる。
WFPは人類の喫緊の課題「貧困と飢餓の撲滅」に取り組んでいる。
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