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緑の気候基金 マラウイでの取り組み

 緑の気候基金(GCF)は7月16日時点で、マラウイにおける気候変動の影響に対処し、食糧安全保障の強化を目的として5,230万米ドルのプロジェクトを承認した。同プロジェクトはFAOが主導する。このプロジェクトは6年間にわたり、農村地域の脆弱層約57.5万人が恩恵を被ることになる。特に同国南部シーレ川流域のコミュニティの回復力強化と生態系との調和を目指す。
 マラウイは世界で最も貧しい国の一つであり、人口の70%が貧困状態にある。天水農業に依存するマラウイの農村は、気温上昇、予測不能な降雨、異常気象の頻発と激化により、気候変動の悪影響をすでに経験している。2023年、同国で報告された深刻な食糧不安は、熱帯低気圧による干ばつと洪水、さらに既存の土壌劣化により、主食トウモロコシの生産量が大幅に減少したことに起因している。常態化した貧困に気候変動が飢餓を上乗せしたのだ。今後さらに悪化する可能性もある。
同プロジェクトは、この現状に対して、8.3万ヘクタールを超える共有地と農地の回復を目指す。村レベルの行動計画(VLAP)を策定、緑地インフラ整備、持続可能な森林管理と修復を行い、環境を保全する。
 またプロジェクトの主体となるのは、女性、若者である。彼らは在来種で適応力の高い種子と苗木、作業に必要な機器と資材を受け取って、持続可能な農業慣行に関する知識を習得し実践することになる。これが市場と資金調達機会の向上につながる。具体的には、村貯蓄貸付組合(VSLA)の強化、官民生産者パートナーシップの構築、中小零細企業(MSME)の能力構築、金融機関への技術支援を通じ、農民の市場進出、資金調達機会の向上を狙う。
 このようにマラウイにおける貧困と飢餓の撲滅のために、CGFとFAOは協力関係にある。両者は12億ドル規模の支援事業を共同管理し、全世界95件の助成金、20件の投資プロジェクトを実施している。たとえば「マラウイ河川流域における柔軟性向上のための環境適応計画(EbAM)」は、GCFから4,280万米ドル、FAOとマラウイ政府から1,040万米ドルの資金提供を受けて、貧困と飢餓の撲滅のために包括的支援と活動を開始している。

UnsplashのOmar Hakeemが撮影した写真

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