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米国カトリック司教会議:社会と農業に関する教え

 米国カトリック司教会議は、貧困と飢餓の撲滅にとって重要な宣言を行っている。それらは以下のように要約される。

1. 人間の生命と尊厳を守る――食糧の権利
カトリック教会は、すべての人間が神聖なものであり、神から与えられた基本的な人間の尊厳を持つと宣言するがゆえに、すべての人は尊厳のある生活を送るために必要な食糧を得る権利を持っている。貧困と飢餓は、人間の生命と尊厳に対する根本的な脅威である。それゆえカトリック信者がこの事態に対応することは必然である。

2. 人間の社会的性質――家族、コミュニティ、参加への呼びかけ
人間は神聖なものであると同時に社会的存在でもあるので、コミュニティの中で生活し成長していく。社会を構成する方法は、人間の尊厳に影響を与えるものであり、農業システムもまた同様に影響がある。カトリック教会の教えは、相互の正義、分配における正義、社会正義によって農業システムが構築されるべきだと教えている。特に家族生活、コミュニティ、土地とのつながりが重視されなくてはならない。

3. 貧困層や弱者のための選択――彼らとの共存を目指して
カトリック教会は、貧しい人々、弱い立場の人々を優先的に配慮することを教えている。イエスに従い、社会の周縁にいる人々、特に農業従事者を尊重し、公正な賃金と生活条件を提供しなくてはならない。農作物に関する貿易慣行も公正でなければならず、弱い立場の農民の尊厳を守ることは必然である。

4. 労働の尊厳――労働者および所有者の権利と義務
人間の経済活動の目的は人々への奉仕であって、逆ではない。教会の教えは、適切で公正な賃金、医療、休暇の権利を支持し、労働者には団結し、職場で発言する権利があることに同意する。雇用主は、労働者の尊厳と安全を守らなくてはならない。教会はまた、私的所有権を擁護し、家族経営の農場を支援することを強調する。

5.連帯
連帯こそ、カトリック教会の社会に関する教えの重要な原則である。人類を一つの大家族として考え、互いに配慮することが求められている。農産業に関して、グローバルな現実を踏まえて地域、国家、国際レベルでの協力が必要である。

6. 創造に対する尊重
神に創造されたすべてのものは、神の賜物である。特に土地、大地に触れる第一次産業従事者には、これを敬う責任があります。土地、水、動物の管理は、神の創造に対する畏敬の念をもって行われるべきであり、その誤用は神の賜物を裏切ることになる。人類社会は、農村地域を支援する責任がある。

米国カトリック司教団は、2003年11月以降、これらの社会と農業に関する教説を宣言し、貧困と飢餓の撲滅にとって必要な道徳的指針のひとつを提示している。いかなる宗教であっても食料安全保障、貧困と飢餓の撲滅は、人類の共通目標である。宗教もまた貧困と飢餓のために戦っている。

Image by Joshua Choate from Pixabay

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