私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2024年05月28日
国連世界食糧計画(WFP)は、ハイチにおける深刻な食料不安と暴力の問題に取り組み続けている。2024年3月以降、ハイチの首都ポルトープランスでギャングによる暴力が急増し、治安が崩壊した。空港も襲撃され、ハイチのアリエル・アンリ首相代理が辞任、住民の多くが避難を余儀なくされた。
WFPは、このような暴力の影響下にある地域で食糧援助を行っている。首都ポルトープランスにて、約65万5,400食の温かい食事を配布、約9万人に食糧支援を提供した。地元の協力者らとセントラルキッチンを設置し、毎日数千食の食事を供給し続けている。
しかしハイチ国内の避難民(IDP)の数は急増している。現在36万2,000人が避難しており、その多くが学校や教会などの臨時の避難所に身を寄せて、適切な設備やサービスが不足したままとなっている。
またハイチ人口のほぼ半数にあたる約500万人が深刻な食糧不安に直面している。そのうち約164万人は「緊急」レベルの飢餓状態にある。WFPは地元の農産物を使用して食料支援を行い、農業支援を通じて地域の経済を活性化させる取り組みを進めているが、貧困と飢餓の撲滅には遠い。それゆえWFPハイチ責任者ジャンマルタン・バウアー氏は、国際社会に対し、ハイチの危機に対処するための資金と資源の提供を呼びかけている。今後6カ月間1億300万米ドルが必要となる。同氏いわく、ハイチは奴隷制から解放された最初の国であり、その歴史的意義に対する理解と支援は重要である。また同氏は、国際社会の協力があれば、状況の改善可能性を確信している。
世界各地で戦争、紛争、暴力が原因となる貧困と飢餓が発生している。ハイチの危機もまたその一つである。貧困と飢餓の問題は、ときに人道的問題にとどまらず、政治的・歴史的な背景を持つ複雑な課題であり、国際社会の包括的支援が必要となる。ハイチでの貧困と飢餓を撲滅するための支援が続いている。
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