私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2024年02月01日
地球環境ファシリティ(GEF)は国連食糧農業機関(FAO)が主導する約29億米ドル規模の新プロジェクトを承認した。これにより48のプロジェクト、三つのプログラムが稼動することになる。なおGEFは開発途上国/経済移行国において環境問題解決に必要となる資金を無償提供する国際的組織である。
いうまでもなくGEFが承認しFAOが取り組む、これらの事業の目的は、持続可能な農業食料システムの変革促進、貧困と飢餓の解消、環境保護である。同プロジェクトは、世界5地域420万人以上を対象として、土地の回復、温室効果ガス排出の削減、有害な農薬除去などを目指す。FAOは46カ国と提携し、食料システム、海洋、生態系の回復に焦点を当て、持続可能な開発目標達成を支援する。具体的には47万4千ヘクタール以上の土地の状況改善、2,400万ヘクタール超の陸上と海上を対象として改善を促していく。結果1億3,300万トンの温室効果ガス排出軽減、202トンの有害農薬の除去を達成しようとしている。
FAO主導のプログラムは、食糧システム、海洋保護、水と土壌資源の保護を目的とした統合プログラムを含んでいる。食料システム統合プログラムは、32カ国に2億5,200万ドルの融資を行い、22億ドル規模の共同融資を提供することで、世界の農産物システムを持続可能で自然環境に負担の少ないものとなるように働きかける。
海洋統合プログラムは、海洋における低酸素地帯や汚染源に対処することで生態系の回復を目指す。また中央アジアにおける水と土壌の連携プログラムは、特にアムダリヤ流域とシルダリヤ流域の生態系を改善、水の安全保障強化を狙う。
これらの働きかけは農地と海洋保護区の管理を強化し、温室効果ガス排出を軽減することで環境保護を推進するものとなる。それは環境破壊による自然災害の極端化を抑制し、結果的に貧困と飢餓の予防線となる。FAOと連携する世界46カ国と地域は、これらのプロジェクト実施を通じ、持続可能な開発目標の達成に取り組み、同地域における貧困と飢餓の撲滅を目指す。
Image by Steve Buissinne from Pixabay
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