シリア復興信託基金の取り組み | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

世界の飢餓ニュース

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シリア復興信託基金の取り組み

シリア復興信託基金(SRTF)が貧困と飢餓対策に取り組んでいる。シリアではISISとの紛争期間に農業生産施設の多くが破壊され、いまだ修復の目途が立っていない。歴史的にはシリア北東部は主要な小麦生産地だったが、近年の降雨量の大幅な減少、気候変動による環境の変化により、2021年の小麦収量は例年を大幅に下回り、同地域の食糧安全保障を脅かしている。また同地域においても紛争被害は野ざらしのままとなっている。

そのため現地の小規模小売事業者が困難に直面している。世界的な小麦価格の高騰、市場での小麦粉製品の価格上昇に直面しており、パン製造用の小麦粉は不足する一方である。本来ならば小麦の一大生産地であったにもかかわらず、小麦を輸入しなくては賄えない状況にある。

SRTFは、シリア北東部における食料安全保障の強化を掲げ、蔓延する貧困と飢餓への対策を行い、具体的介入を行う。選定された三つの製粉工場の改修、小麦粉用の硬質小麦の混合物を補完する軟質小麦の供給、そしてパン製造用の小麦粉を提供する。狙うところは地域経済の刺激である。既存の小麦工場を再建し、輸入小麦の供給に総合的介入を行うことで、同地域の貧困と飢餓の撲滅を促す。小麦工場への支援は、生産量の増加を招く。またパン製造に十分な小麦粉を確保するための管理、管理、技術的および物流的支援が、小麦の流通量を拡大させる。また小麦(軟質および硬質)の提供が、より経済的安定をもたらすことになる。

このプロジェクトは 340 万ユーロ規模であり、約4万5千人が恩恵を受けると見込まれている。また選定された工場では約100名の雇用創出となる。同時に工場周辺の数十のパン製造小売業者に恩恵をもたらすことになる。

このような形でSRTFは、紛争によって破壊されたインフラと枯渇した食料流通に対して効果的な支援を行うことで、現地における貧困と飢餓の撲滅の一躍を担っている。

(UnsplashのJulian Andres Carmona Serratoが撮影した写真)

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