2023年ラテンアメリカとカリブ海諸国の食糧安全保障 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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2023年ラテンアメリカとカリブ海諸国の食糧安全保障

・地域の状況は?
 この地域において栄養失調は、COVID-19パンデミック以前より着実に増加している。栄養不足の有病率は2015年以降、倍加しており2021年には57.4%増、2,060万人の増加を記録。同地域の2021年人口の8.6%に相当する。世界規模で見れば、人類の9.8%が常に栄養失調状態にある。南米大陸に住む人々の7.9%(1,100万人)、中米地域の8.4%(160万人)、カリブ海での16.4%(60万人)の人々が飢餓状態にある。しかし、それでも他大陸などに比べれば、これらの数値はよいと言わざるを得ない。

・なぜ、この地域で栄養失調と食料不安が増大したのか?
 大きな要因は経済成長の停滞、そこへCOVID-19パンデミックによる世界的不況が重なったことである。結果、社会不安の増大、治安の悪化が貧困を促進した。2015年以降、飢餓人口の増加に伴い、貧困率は29.1%から33%に増加。特に生命の危機とみなされる極度の貧困状態にある人々は8.8%から13.1%に増加した。さらに昨今の食糧資源の価格上昇が致命的な打撃となっている。2020年以降、これらの地域ではインフレーション、雇用減少により、家計の購買力は低下の一途をたどり、食料不安にさらされている。
これらの地域の貧困世帯は、多くの場合、収入の大部分を食料購買にあてるが食事の質は下げられ量が減らされ、やがて入手困難になっていく。そして、その犠牲になるのが女性や子どもである。

・ラテンアメリカとカリブ海諸国の女性と子どもの栄養失調
 2020年、ラテンアメリカとカリブ海諸国の5歳未満の幼児における栄養失調による発育阻害の割合は11.3%である。これはアフリカ諸国に比較すると良い状況であり、同地域において状況の改善が見られる。2000年から2020年の間に、南アメリカでは発育阻害の割合が41%、中米地域では35%、カリブ海諸国では25%の減少が報告された。
一方、カリブ海諸国では、15~49歳までの女性の約30%が慢性的な貧血状態にあるとされる。世界中で貧困と飢餓に直面する人々がいるが、それぞれの地域に特化した形で主たる要因に取り組む改善策が必要となる。

(写真)
Image by Marco Antonio Reyes from Pixabay

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