食糧危機の男女格差 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

世界の飢餓ニュース

私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。

食糧危機の男女格差

ロシア・ウクライナ戦争により世界の食糧事情は不安定となっている。すでにコロナ禍により物流と人的資材の配備が困難になっていたところに、戦争による資源と流通コストの高騰が世界中の「貧困と飢餓」にあえぐ人々を圧迫している。
 世界銀行、米国とEUなどは、この人道危機に対して総額400億米ドルの支出を約束しているが、中低所得国の女性や未成年に効果的であるか否かは懐疑的と言わざるを得ない。
 すでにコロナ禍で約4700万人の女性と少女が極度の貧困に陥ったと試算されている。これは数十年単位の改善の努力が水泡に帰したことを意味する。国連が提示する40カ国のデータによるとパンデミック下における女性の離職率は36%であり、男性の28%は多い。この事実は、2021年においても飢餓に直面した女性が1.5億人ほど男性より多いことにより証明されている。食の安全保障について、明らかな男女格差がある。そして、この格差はなお進行中であると国連は見ている。
 パンデミック以前、すでに栄養失調にあるとみなされた人々の推定60%が女性であり、とくに母親とその子どもが「貧困と飢餓」に直面している可能性は極めて高い。2021年時点、ロシアによるウクライナ侵攻前においても推定7~8.3億人が慢性的な飢餓状態にあるとみなされていたが、2019年以降は1.5億人増加したといわれる。
気候変動、疫病、戦争による「貧困と飢餓」の発生は母子の栄養状態を直撃する。慢性的な栄養失調状態のまま出産した場合、その子が低体重児で生まれ生命の危険が伴うことになる。
 これらの問題は「貧困と飢餓」にある地域の治安の改善、社会情勢の抜本的改革、教育の普及、技術支援、資金注入など国際社会による全面的な介入がなければ解決できない。食の男女格差解消は、人類が持続していくためにも必須の課題である。気候変動、パンデミック、戦争が「貧困と飢餓」を進める中、再度、人類の問題として「女性の食の安全保障」を考える必要があると国連は警鐘を鳴らしている。

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