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ハイチにおける貧困と飢餓の現在

中南米ハイチにおける情勢不安が「貧困と飢餓」を加速させている。「奈落の底に直面している」と国連人権委員会は警告。事実、ハイチ首都ポルトープランスにおけるギャング同士の抗争による暴力は2週間で8500人の女性と子どもの住居を奪ったとみられる。当然ながら貧困と飢餓に直面する人々が増加している。
国連などの関係諸団体によれば、首都において人々は銃器で殺され、安全な飲料水、食料、医療へのアクセスがなく、それゆえ死んでいくしかない。さらに女性は集団による性暴力被害にあっているが法秩序が空白となっており、罪を裁くどころか問うことさえできない状態が続いている。
 すでに重武装化したギャングらがハイチの主要燃料ターミナル、また港湾区域を封鎖して2カ月を経たが、結果、人々の水と食料、医薬品へのアクセスは遮断されたままとなっている。
 過去最低ともいえる治安の悪化ゆえに、ハイチにおける食料不安は増大の一途をたどり、現在、人口の半数約470万人が深刻な飢餓状態にあると試算されている。さらに劣悪な衛生設備、安全な水の供給がない状態ではコレラなどの伝染病の発生と蔓延を避けることができない。現在までに2600人がコレラ罹患の疑いがあるとされ、その半分は未成年と幼児であり、数十人の子どもが死亡している。
 しかしながらギャングの暴力は首都から同国の他地域へ拡大を続けている。たとえば8月下旬には数十万人が、政府に対し生活費の上昇、社会不安の増大に対して対策をとるように抗議デモを行ったが、国連調査によれば、警察部隊による不当暴力によって最低でも54人が殺害されたとみられる。10月中旬には1週間で71人以上が殺され、12人の女性が性暴力被害にあい、数百人が住居を失った。改善の見通しが立たない状況にある。このような状況を鑑みて、国連は「難民のハイチへの強制送還の一時停止」を決定している。世界各国は自国民に対してハイチを「退避勧告」レベルに指定し渡航中止と退避を呼びかけているが、現地では深刻な「貧困と飢餓」が暴力によって加速している。

David Greenwood-HaighによるPixabayからの画像

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