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パキスタンの洪水被害、その後の半年

国際連合(UN)は、パキスタンの洪水被害について継続的支援の必要を訴えている。すでに家を追われた被災者は800 万人近くになる。しかし復興の見通しは立っていない。依然シンド州南部では、多くの地域が水没したままとなっている。今回の洪水被害により子供552 人含む、1500人が死亡した。
 国連児童基金 (UNICEF) パキスタンは、道路や橋など日常生活に必要不可欠なインフラが流され水没したと報告。また人命を脅かす疾病と感染症の拡大が懸念される。脳マラリアなどの感染症が避難した人々のコミュニティで拡大している。
 また家屋ごと流された人々は「避難所もありません......着られる衣服さえ持っていません」と窮状を訴えている。国連難民機関(UNHCR)の発表によれば、パキスタンの洪水被害において、すでに760 万人が避難生活を余儀なくされており、辛うじて約60 万人が救援地に住んでいる。
 国連は緊急人道支援として、深刻な被害を受けた地方自治体を中心に120万個を超える救援物資を輸送している。現在までに100万個以上の救命アイテムが自治体当局に配布された。しかしUNHCRの報告によれば、「パキスタン全土、特に南部シンド州は水没したまま、一部バロチスタン州も同様」という。
 同時に大きな問題がある。約130 万人のアフガニスタン難民である。深刻な洪水被害を受けた80地域のうち45地域に推定80 万人が居住すると見られている。難民を受け入れたバロチスタン州、ハイバル州、パクトゥンクワ州、シンド州が、特に甚大な洪水被害を受けたとされる。
 UNHCRなどは関連機関とともに、パキスタン政府と難民への現金支援を開始。しかし復興の目途は立たない。「あれが家で、あそこは学校だった」「目に映るのは、ひたすら一面水だけ」との被災者の声は重い。洪水被害で家庭どころか地域ごとインフラそのものを失う場合、「貧困と飢餓」は即時に危機的なレベルとなる。国際社会の継続的救援と資金提供が、今後のパキスタン復興、また同国の貧困と飢餓対策のカギとなる。

PeggychoucairによるPixabayからの画像

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