私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2022年08月24日
世界各地で「児童婚」が問題となっている。文化なのか、または虐待なのか。少なくともエチオピアの少女たちは「貧困と飢餓」によって児童婚を余儀なくされている。
産業活動による環境の変化、気候変動による異常気象は人類の課題である。しかし、その影響を最初に受けるのは、農家や牧畜を営む、小規模事業者である。例えばエチオピアの一部地域では続く異常気象によって水源が枯れてしまった。干上がった土地には農作物が育たない。飼料を得られない家畜は死んでいく。結果、生計を立てられなくなった農家が数百万人規模で貧困化し、飢餓に直面している。そして飢餓にあえぐ両親は決める。娘を売れば、とりあえずの食糧を得られる、と。貧困と飢餓が人身売買に直結する事例である。
エチオピアは世界で最も児童婚の割合が高いといわれる。18歳未満の少女のうち、推定40%が児童婚を経験する。干ばつの長期化と激化は、そのまま児童婚を増加させている。
両親は決して喜んで人身売買に加担するわけではない。むしろ少しでも裕福な家へと嫁がせることで娘の生存確率を上げようとしている。作物が育たない以上、家畜はおろか自分たち、子どもたちの食糧も水も入手できないのだ。また代価として支払われる金銭によって、少なくとも両親が暮らせる場合もある。
エチオピアの家庭において、多くの場合、女児は水くみを仕事としている。干ばつが悪化すればするほど、長距離を移動して水を集めることになる。結果、彼女らは学校に入っても途中でやめて教育機会を失ってしまう。
英国のキリスト教会が主体となる人道支援団体「ティアファンド」は、このような少女らを積極的に支援している。教育機会の確保のためにポンプ式の井戸の建設援助を行っている。村から歩いて7時間かかる川へは行かず、代わりに家族と過ごし学校へ行けるようになった子どもが増えている。「貧困と飢餓」の撲滅、それは児童婚という困難な問題にもつながっている。
David MarkによるPixabayからの画像
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