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国連・ソマリアの食糧危機に警鐘

世界食糧計画(WFP)が継続的にソマリアの深刻な食糧不安について警鐘を鳴らしている。ソマリアの国土は「アフリカの角」と呼ばれる東アフリカ沿岸部に位置する。1991年以来の政治的・社会的混乱の中、2012年に連邦共和国となるも2020年の大統領選挙の混乱が長引いている。世界的にはソマリア沖・アデン湾での海賊事件として国名を知られているが、背景には「貧困と飢餓」がある。海賊行為の原因の一つは、長引く社会不安による同国の貧困、若者の就職難などである。

 現在1230万の人口を抱えるソマリアだが、内約600万人が深刻な食糧不安に直面し、約270万人は毎日の食事にも事欠くという。

 2011年、食糧不安と飢饉から徐々に回復したが、現在再びソマリアの食糧安全保障は脅威にさらされている。気候変動による降雨量の低下、河川水位の減衰は、そのまま食糧生産を担う農家を直撃する。これらは作物の不作、農村部の雇用機会の減少、広範囲にわたる水や牧草地の不足、経営資源である家畜の死亡増加、食糧価格の上昇、貧困家庭の増加となって現れる。

 結果、2018年5月時点で、270万人が日ごとの食事にありつけない事態に陥った。50万人以上が飢餓状態に瀕しており、緊急人道支援が必要となった。加えて5歳未満の幼児、推定30万人が栄養失調状態にあり、そのうち4.8万人は疾病死亡リスクが高い。

 WFPはソマリアにおいて、何よりも基本的な食料需要に対応すべく、同地域における食料安全保障を達成するため、支援を継続している。2020年までにWFPの支援は、緊急援助から洪水・干ばつなどの将来的被災への対策まで含め460万人規模に拡大。現金支援のみならず食糧配給の確立など、人々の生活再建に取り組んでいる。

 なおWFPは、国連食糧農業機関(FAO) やユニセフは共同戦略を策定し、適宜、必要な支援を提供しながら、世帯収入の増加、健康、栄養、教育、安全スキルの向上を目指し「貧困と飢餓」の撲滅に取り組んでいる。コロナ禍、ロシア・ウクライナ戦争下においても「貧困と飢餓」 と戦う人々は前進している。

「子どもの写真」kristi611によるPixabayからの画像

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