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FAOヨーロッパと中央アジアにおける取り組み

国連食糧農業機関(FAO)はアルメニアにおける林業への取り組み、また気候変動対策を支援している。アルメニアの森林回復を目指すこの8カ年・林業プロジェクトに対し、緑の気候基金(GCF)から1000万米ドルの助成金と、870万米ドルの協調融資がなされた。長期的視点から社会的、経済的、環境的利益となるように働きかける。
 アルメニア、オーストリア開発庁、ボルツァーノ自治州(イタリア)、世界自然保護基金、FAOが参与するプロジェクトは関係者に向けてワークショップを開催。ワークショップには、国家レベルで森林管理と気候変動における指導的・積極的な役割を果たす人々が集結した。アルメニアFAO代表ライムンド・イェーレ氏は語る。
「社会のさまざまな人々を巻き込むことは、プロジェクトの重要な焦点だ。関係省庁、非政府機関、研究機関、国際社会から構成される多様な専門家グループが、プロジェクト設計から始めて国家レベルで効果を最大化するために、さまざまな段階で関与してくれたことは感謝に堪えない」

 実はアルメニアは気候変動に対して非常に脆弱な状態にある。世界銀行の発表によれば、ここ数十年の異常気象(ハリケーン、吹雪、熱波)のデータ数値がそれを示している。将来的な平均気温の上昇、降水量と河川流量の減少、および積雪量の減少が見込まれている。それは薪に大きく依存する人口の大部分に影響する。いうまでもなく気候変動に敏感な森林はさらにリスクを抱えることになる。
 プロジェクト8年間を通じての目標は、アルメニアの森林被覆を2.5%増加させ、農村部の薪需要を少なくとも30%削減することである。また天然資源の管理とその担当コミュニティの役割を最適化し、持続可能な林業の形を模索し改善することを目指す。特にアルメニア北部ロリと南部シュニックの2地域が対象となる。森林生態系への潜在的な影響、森林の種類、人口密度、地域の貧困レベル、気候変動への曝露への評価が同地域選定の理由となっている。
 この8ヶ年・林業プロジェクトは、アルメニアにおける持続可能な森林経営へパイロット・ケースである。国全体のモデルとして機能し、低排出開発へのパラダイムシフトを生み出す可能性さえある。持続可能な環境保持と開発が「貧困と飢餓」への予防策となる。

Reijo TelarantaによるPixabayからの画像

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