「食の安全保障」の未来を照らす八つの課題 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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「食の安全保障」の未来を照らす八つの課題

現在、既存の食糧に代わり注目されている素材は、クラゲ、昆虫類、また培養肉などである。ブロックチェーン技術、人工知能、ナノテクノロジーなどの新技術を用いて生産・流通・消費までをカバーする地球規模の構想と刷新が求められている。このように世界的な食料危機が叫ばれる中、国連食糧農業機関(FAO)は今後の可能性と危険性に関しての報告を公表した。FAOが3月7日に発表した予測レポートは、特に経済成長、消費行動の変化とその分析、人口増加、気候危機などの主要な観点から食の安全保障を考察し、将来的な危機に言及している。

同レポートによれば、特に以下8分野についての考察と予測がなされた。
1. 気候変動
2. 新たな食料源
3. 都市における農業生産の可能性
4. 消費者行動の変化
5. 循環型経済
6. 菌類などに関する微生物学的知見の拡大
7. 食料生産における技術革新
8. 食料生産における偽装問題など

 まずは気候変動。これは環境破壊による農業生産力の低下、貧困と飢餓の発生、世界経済の混乱という既存の問題の確認である。次に、新たな食料源と生産システムの問題。これは来たるべき食糧難へ向けた課題である。また都市部における農業生産の可能性を探ることは、今後の消費者行動の変化によって循環型経済社会へと進むための第一歩となる。
加えてウイルスや細菌、また菌類に関する研究は、技術革新に伴い、パンデミックなどの予測不可能な災害に対する社会の柔軟性を高めることに寄与するものである。また世界的な食料の流通を適正化するためには食品偽装を排除せねばならない。そのためには労働対価の是正と平等化が必要となる。
 FAOが注目する8分野において重要となるのは先見性である。蓄積されたデータを分析し、不足の事態における急激な変化にも対応しなくてはならないからだ。FAOはこのレポートを発表すると同時に世界保健機関(WHO)と6月7日に開催する「世界食品安全の日 (World Food Safety Day) 」のテーマを「より安全な食品、より良い健康」を公表した。

Photo by Hoach Le Dinh on Unsplash

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