私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2022年02月24日
世界食糧計画(WFP)は長引く紛争、気候変動による飢餓、COVID-19の経済的影響により、支援対象を過去最大の1億4,000万人に引き上げた。WFPは2021年11月、43カ国4,500万人が飢饉に直面していると発表。これ以上の状況悪化は、これらの人々にとって致命的ダメージを与えると見込まれる。WFPによれば、現在、世界的に最大8億1,100万人が慢性的に飢えた状態にあり、2億8,300万人が深刻な食糧不安を抱えている。以下、2021年のWFPの活動を要約して紹介する。
・バングラデシュ:ロヒンギャ難民の本拠地・バングラデシュのコックスバザールでの火災発生において、3,500人に2万1,000食を提供した。
・エルサルバドル:エルニーニョ現象による干ばつ対策として温室栽培可能なキュウリ、トマトの生産支援
・シリア:10年来の紛争で数十万人の難民支援。
・イエメン:アデンにおける医療支援。
・コンゴ:FAOと共同で石鹸販売のプロジェクト支援。
・マダガスカル:異常気象による干ばつ支援
・アフガニスタン:紛争、干ばつ、パンデミックによる食料不安を抱える2,280万人への支援。
・イエメン:世界最悪の人道危機への支援。1,620万人が深刻な飢餓状態、510万人が飢饉の危険、5歳未満の子どもの半数(230万人)が栄養失調リスクにさらされている。
・ブルキナファソ:紛争の平和的解決の支援。保健センターなどでの栄養失調状態にある少年らへの食事提供。
2020年にノーベル平和賞を受賞したWFPスタッフ(コンゴ民主共和国、イエメン、中央サヘル、スーダン)らは、飢餓と紛争の悪循環を断ち切るためには平和を育む必要がある、と強く訴えている。またWFP緊急事態担当官マーゴット・ファン・デア・ベルデン氏はこう述べる。「2022年に目を向けると、世界中の紛争地域での事業に資金を集中的に提供することが重要だ。そうしない限り、より多くの人々が飢饉に陥るだろう。これは非常に現実的なリスクだ」
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