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COP27と気候変動対策費用の問題

2021年11月、エジプト環境省はCOP27の開催を決定。COP27は、国連気候変動枠組み条約・第27回締約国会議(COP27)である。COP26において、エジプト・エルシーシ大統領は再生可能エネルギーの発電比率を現在の約20%から、2035年までに42%へ引き上げることを表明した。電気自動車(EV)普及などクリーン・エネルギーを用いた持続可能な都市開発への意欲を見せた。同時にエルシーシ大統領は「アフリカ諸国は温室効果ガス排出が少ないにもかかわらず、気候変動の影響を大きく受けている」と指摘し、発展途上国へのより大きな気候変動対策の援助を増額するように求めた。事実、エジプトでは地球温暖化による海面上昇によりナイル・デルタへの海水侵入が懸念される。同地域はエジプトの主要農業地帯でもある。気候変動が「貧困と飢餓」の巨大な発生原因となっていることは言うまでもない。
 これらを受けて世界食糧計画(WFP)は2022年「COP27」に向けて声明を発表。曰く、総じて2021年は、前例のない気候変動と災害の年となったが、それゆえ具体的な行動に進む年でもあった。
 たとえばハイチ大地震があった。あらゆる援助がなされたが国際社会の協力なくして、気候変動と異常気象、自然災害に起因する「貧困と飢餓」を撲滅することはできない。しかし、経済的・人的資源は常に不足している。そのような状況下において、スコットランドは発展途上国の損失と被害への約274万米ドルの資金提供を行った。今後も、このような国家レベルでの協力が求められている。
 事実、先進国・高所得国によってなされた約束は果たされていない。気候変動は先進国の消費社会の結果である。したがって、気候危機は世界的な格差、「不公正」の問題となっている。2009年、温室効果ガスを排出し続けてきた高所得国は、発展途上国の気候変動に対応するため、2020年までに毎年1000億米ドルを資金提供すると約束したが、いまだ実現していない。
 このような状況下で、マダガスカルでは「貧困と飢餓」が広がっている。世界食糧計画によれば、7800万米ドルの緊急支援ができない場合、飢餓による死者が数万単位に及ぶと概算される。先進国の怠慢が「貧困と飢餓」を促進している。

Image by Jody Davis from Pixabay

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