飢餓問題解決の鍵ともなる未活用の種子類 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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飢餓問題解決の鍵ともなる未活用の種子類

コロナ変異型オミクロン株が世界的な脅威となる中でも、「貧困と飢餓」撲滅に向けて人々は動いている。アントネッラ・ コルドネ氏は2021年10月、国際農業開発基金(IFAD)において「今まで放置され、未活用のままとなっている種類類が世界的な栄養失調状態に関する解決のカギとなる」と指摘している。
 現行の世界的な食料生産と供給システムは、主要三品目(小麦、トウモロコシ、米)によって占められている。同3品目は、人類が接種する植物由来のカロリーの実に50%を占め、世界の耕作地の40%に当たる。
このように限られた食用作物への全世界的な依存は問題含みだ。一方では世界の飢餓を減らすのに非常に重要な役割を果たしてきた。他方では、この3品目だけを生産し、食用としても十分な必須栄養素には不足してしまう。人間が生活していくには、はるかに多用な食事が必要だからだ。
 この農作物に関する多様性の欠如は、地球規模で生物多様性と自然環境に深刻な影響を及ぼしている。生産に必要な資源の量、人的・経済的コスト、環境と生態系への負荷は、「貧困と飢餓」に対応しながら持続可能な発展を目指すためには大きな障害となる。
 それゆえ、約5000種ともいわれる潜在的な食用作物が注目されている。今まで無理され十分に活用されて来なかった食用資源の可能性が、そこにある。これらの植物、動物、菌類は、一般的認識と情報欠如により過小評価されてきたと言える。
 たとえば伝統的なアンデス山脈の穀物「キヌア」がある。コロンビアからボリビアにかけての山岳地帯が原産で7000年前から食べられ、4000年前には栽培されていた植物である。過酷な環境で育つ植物が、「貧困と飢餓」撲滅と持続可能な開発を両立するかもしれない。同様の可能性と具体的な取り組みがインドでは「キビ」において、グアテマラでは「チャヤ」においてなされている。伝統的な食料資源の活用は、先住民族の文化保護にも役立つ。事実、グアテマラでは学校給食に「チャヤ」が導入された。
「貧困と飢餓」撲滅するための取り組みは、確かに前進している。

Image by David Mark from Pixabay

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