私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2022年01月24日
養鶏業が取り扱う商品は卵である。したがって輸送には適さず、基本的に地産地消の生産・加工・消費の体制が採られている。たとえば世界最大の養鶏業者・米国のカルメイン社でさえ、全世界におけるシェアは1%未満となっている。これは小資本でも参入可能な市場であることを意味している。それゆえ「貧困と飢餓」撲滅においても鶏卵業者の果たす機能は大きい。何よりも貴重な栄養源として、また就労の機会として意味を持つ。
2020年の統計によれば鶏卵業界の世界市場規模は、採卵養鶏数60億羽として算定され、20兆円産業といわれる。2021年においても6.7%の成長が見込まれている。
しかし、これら養鶏業において「鳥インフルエンザ」は大きな脅威である。COVID-19同様、国境を越える疫病であり、小規模生産者、国際貿易、食品の安全、公衆衛生、海外旅行、観光業等に幅広い悪影響を及ぼすことになる。
この継続的な危機に対して世界食糧農業機関(FAO)は、バーチャル学習センター(VLC)を解説。「鳥インフルエンザ」対策のオンライン講座を開始した。参加者は防疫と監視、検出、具体的な予防対策等を政府関連部署や担当獣医師などから受講する。1月18日より開始する講座は4週間設定され、アフリカ、アジア太平洋など全世界の国と地域98のFAO加盟国から、最大500人の獣医が最初の受講者となり、全世界より集められた40名の専門家から訓練を受ける。
Eラーニング「鳥インフルエンザ対策」は、完全オンラインで開催、全12時間のウェビナー形式となっている。なおFAOのVLC(オンライン講座)は、その他のトピックにも対応しており、現在までに5000人以上の受講者があった。各地域における「貧困と飢餓」対策の一環として、Eラーニングの活用が始まっている。動物性タンパク源としての鶏卵や鶏肉、また就労機会や地産地消型の持続可能な開発を目指す取り組みはさまざまな業界で始まっている。
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