私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2021年11月29日
パンデミック下、インドは深刻な飢餓問題を抱えている。世界銀行の2015年度報告書によれば、インドの栄養失調率は「BRICS」加盟国に比べて最大7倍となっている。また、国連食糧農業機関(FAO)の2021年報告書も同様の見解を発表した。SDGs「2030年までに飢餓をゼロに」との目標は、このままでは達成できない。言うまでもなく、これらの数値予測はCOVID-19発生以前のものである。パンデミックにより、状況はさらに厳しいものとなった。
2021年の世界飢餓指数(GHI)報告書は、インドが116カ国中101位だと指摘している。これはアフガニスタンやアフリカの後発開発途上国よりも状態が良く、バングラデシュ(76位)やパキスタン(92位)よりも悪い状態であることを示している。
FAOによれば「飢餓」とは、このような状態だ。「食事による摂取カロリーが著しく不足し、身体的不快感を覚えている/食糧不安を抱えている/継続的に十分な食事を摂れない/生活のために食事の質や量を落とさざるを得ない」。いずれにせ、このような食糧不安は、さまざまな形で栄養失調の原因となり、人々の健康と幸福に深刻な影響を及ぼすことになる。結果、社会不安、内戦、国際紛争への可能性となってしまう。
「飢餓」とは、そもそも消費カロリーが少ないために、食事で得るカロリーが低レベルとなる悪循環を意味している。通常、想定される健康で活動的な生活を送るには、一定量のカロリー摂取(食事エネルギー)が必要であるからだ。これが定期的に不足し慢性化すると、栄養失調となり、やがて飢餓となる。
特に5歳未満の子どもたちにとっては生育に深刻な影響を与え、衰弱死や発育阻害を引き起こす原因となる。すなわち 「飢餓指数(GHI)」は、社会的・世帯レベルでの栄養不足、子どもの衰弱、子どもの発育阻害、子どもの死亡率と密接な関係にある。
1947年、独立したインドにとって、最大の課題の一つが「飢餓」だった。事実、1891年から1946年まで作物支出の平均成長率はわずか0.4%であり「貧困と飢餓」が社会的課題であった。徐々に改善してきたインドの「飢餓指数(GHI)」はCOVID-19パンデミックにより停滞し、特に2012~2021年にかけて、実態として「貧困と飢餓」が加速している。
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