私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2021年11月04日
2014年以降、「飢餓」に直面する人々の数が徐々に増加している。しかし毎日何トンもの食料品が無駄になり廃棄される現状がある。「貧困と飢餓」を撲滅し、誰もがまず「食べられる」社会を実現するには、食品廃棄物の問題、フードロスの削減が必要不可欠だ。
「食料ロス・廃棄啓発のための国際デー」(9月24日)は国や地方自治体などの公的機関と民間が「フードロス」対策のために人々に行動を呼びかけ、優先順位を明らかにするための機会である。弾力性のある食品システムの回復と再構築が、今後の全人類の「食の安全保障」にかかっているからだ。
現在、全世界で生産された食料の約14%が収穫から小売までの間に失われている。さらに食料生産全体の推定17%が無駄になっている。内訳は家庭で11%、外食産業で5%、小売で2%と言われる。
このようなフードロスは「飢餓」に直結した問題である。食料が無駄に失われたことは、そのまま水、土地、エネルギー、労働力、資本など、食料生産のために使用された全資源の無駄を意味している。
加えて食品廃棄物を埋立処理する場合、温室効果ガス排出につながり、気候変動を加速させる。つまりあらゆる点において「フードロス」問題は、人類と地球環境のバランスを脅かすことになる。長期的な「食の安全保障」に悪影響を及ぼし、食品コストの増加、価格上昇につながってしまう。
それゆえ、現代の食糧生産・流通・消費のシステムは、地球規模で持続可能なものでなくてはならない。フードロス、食料品を無駄にする余裕は、いま誰にもない。食品廃棄物の削減は、そのまま人類と地球の共存に貢献することである。
国際果実野菜年2021
2021年は「国際果実野菜年」である。残念ながらあまり知られていない。「国際果実野菜年」は、2019年12月の国連総会において、チリ、コスタリカ、エクアドル、マレーシア、フイリピン、タイが世界的な栄養不足を鑑みて提案し採択されたものだ。国連食糧農業機関(FAO)と国連加盟国などが連携し2021年は、特に以下の点について強調し啓発活動を行った。
・野菜と果実の栄養・健康上の視点、政策的関心の呼びかけ
・野菜と果実の消費促進、健康的食事とライフスタイルの実現
・野菜と果実に関するフードロスの削減
これらの問題を知り、課題に取り組むことは、「農場から食卓まで」食品を無駄にせず大切にすることを意味している。今日この日からでも、上記の課題に取り組むのに遅すぎることはない。
Photo by Megan Thomas on Unsplash
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