ガーナ北部「植物性バター」の挑戦 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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ガーナ北部「植物性バター」の挑戦

持続可能な開発と環境保護、また女性の社会的地位向上について、ガーナ北部での取り組みが注目されている。
 「シアバターノキ(シアの木)」はアフリカ大陸・最西端ヴェルデ岬から内陸国のチャドにかけて分布する樹高7mの植物だ。近年、このシアの木から取れる油脂は、ボディローション、リップ、ハンドクリーム、シャンプー、石鹸など、さまざまな化粧品に配合され、販売されている。現地では古くから食用、薬品、燃料として使われ、火傷の治癒、新生児の保湿、ムスリム割礼の際の止血・消毒にも使用される。
 また、チョコレート製造するために必要なカカオバターの代替品として見なされている。シアバターの需要は急増し、過去20年間で輸出量は6倍になった。
 現在、ガーナ北部において森林回復とともにシアバターの生産に女性が関わることで、良い循環が生まれている。
 世界シアバター生産連盟と国連食糧農業機関(FAO)によれば、セネガルから南スーダンまで、アフリカ21カ国で推定1600万人の女性が、シアの木の栽培と生産によって生活している。
 シア農家ともいえる彼女らの総収入の最大3割が「シアの木」に依存している。特にガーナ農村部において、女性が現金払いのある雇用に従事することは、かなり難しい。女性が「シアの木」で得た収入を管理することは、そのまま子どもの教育、また健康保険などの社会的な福祉と保障へと直結する。また女性の経済的自立においても重要な方法となっている。
 しかし、近年の気候変動、過剰な伐採などにより、西アフリカ全体で毎年約800万本のシアの木が喪失しているといわれる。この傾向が続く場合、今後15~20年ほど、西アフリカのシアバター供給は大幅な減産見込みとなり、数百万人が雇用の危機に見舞われる。当然、この女性の雇用への打撃は「貧困と飢餓」を加速させることになる。
 西アフリカにおいては「シアの木」を中心にした環境保護と持続可能な開発こそが「貧困と飢餓」の撲滅への着実な一歩となる。

By Akiwumi - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=32643451

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