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【FAO報告から】アフリカ農業のボトルネック

アフリカ大陸における農作物の生産過程において、全体的な資金不足が問題となっていると国連が指摘している。経済的停滞が、アフリカ地域全体における持続可能な発展を妨げている現状がある。
 食糧農業機関 (FAO) の最新の報告によれば、「サハラ以南のアフリカにおける食料と農業への公的支出」の調整が課題だ。潤沢な資金を調達し続けるために、公的金融システムを合理化しなくてはならない。FAO加盟国の協力による15年間の調査は、長年の政治的努力にもかかわらず、サハラ以南の諸国が直面している財政的現実は理想との間に大きなギャップがあることを浮き彫りにした。
 たとえば2003年、アフリカ連合 (AU)は、国家予算10%を食料と農業に充当し、経済と社会の安定化を図るとしたが、この約束は果たされていない。FAOが追跡、監視、分析した結果、アフリカの公的支出においてはマラウイだけが一貫してその目標を達成し続けている。
 またマリも複数回、目標を達成しているが、ベニン、ブルキナファソ、ブルンジ、エチオピア、ガーナ、ケニア、モザンビーク、ルワンダ、セネガル、タンザニア、ウガンダでは未だ達成されたことがない。食料と農業に関する予算が、国家予算に対して3%しかない場合もあった。これでは多発し悪化するアフリカの「貧困と飢餓」への対応、持続可能な社会の開発は困難であり、社会経済を安定させるための「食料と農業」への開発投資へは回せない。なぜなら誰もが食べることに困らない生活と社会こそ、経済成長の要であり、持続可能な環境開発の基礎だからだ。しかし場合によっては資金の2割が未払い状態にあるなど、課題は山積している。
 すなわちアフリカにおける「貧困と飢餓の撲滅」を達成するためのボトルネックは、まさに各国における「食と農業」に関する予算配分比であり、予算の適切かつ迅速な執行である。国際社会において経済的に弱い立場にあるアフリカ諸国への適切な投資、不平等な取引の是正もまた「貧困と飢餓の撲滅」に必要なアクションだと言える。

干ばつ写真 Image by Peter H from Pixabay

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