私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2021年06月02日
2015年、エルサイード・アリさんと家族はイエメン紛争の激戦地となったアデン市アルタワヒ地区の自宅から避難せざるを得なかった。現在、WFP(世界食糧計画)の支援下にある診療所で働くアリさんは栄養失調に苦しむ母子らを世話している。紛争地で栄養失調の母子を世話する彼女について、国連広報(UNnews)などが報じている。
「戦争が始まったことで、私は子どもを連れて家を捨てて避難するしかありませんでした。最初アデン市内の別の場所へ、親戚らと一緒に引っ越しました。しかし、引っ越しました。イエメン紛争の影響は甚大です。地域、家族、私自身から若さを奪い、子どもたちは無理やり大人にならざるを得なかったのです。
2003年から2011年まで、私は看護師として働き、その後、母乳育児に関する栄養学の専門的な訓練を受けました。以来、アルタワヒに戻って診療所に務め、栄養失調に関する部署で働いています。
しかし、ますますイエメンでの生活は困難なものとなっています。栄養失調状態は、戦争が始まって以来劇的に増加しました。食料の価格は毎日上昇し、病気はいたるところにあり、生活は日々困難になっています。
現在、食物の価格はあまりにも高く、とても子どものためにチーズや卵を買うことはできません。もっと言えば、何も食べるものを見つけられない人々もいるのです。
私たちは、「飢餓から救ってください」と神に祈ります。「貧困と飢餓」に直面しているすべての人々は疲れ果てているのです。栄養失調に苦しみ弱っている子どもを見ると、心が壊れるようです。体重わずか3キロ、生後7カ月の子どもを想像してみてください。母親らは、神に頼るしかないと言うのです」
医療従事者としての彼女の仕事は、急性栄養失調に苦しむ幼児の測定だ。母親が栄養失調の子を連れてくれば、栄養補給と治療を提供し、翌週にはアドバイスとともに子どもを連れ帰れるようにする。子どもの体重が増え、やせこけた頬がふくらみ始める様子は、母親とアリさんに安心をもたらしてくれる。痛みや空腹で泣く子どもには、いつも心が痛むが、母親を助け、子どもの顔に笑顔が戻るとき、前向きな変化の到来を確信すると、アリさんは語る。
ムスリマのアリさんのように、「貧困と飢餓」の只中で祈る人々がいる。貧しく空腹な人々のために働くことは、どの宗教にとっても喫緊の課題である。なお国連は、イエメンにおける人道的努力への資金不足から国際支援の強化を呼びかけている。
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