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【FAO】11ヵ月連続で食糧価格は上昇傾向に

FAO(国連食糧農業機関)は、世界的な食糧の高騰傾向があると指摘。価格は11カ月連続で上昇を記録。世界的に貧困状態にある世帯への打撃が懸念されている。
 FAOによれば、食品価格指数は昨年同月よりも約30%の上昇を見た。例えば、砂糖の価格指数は2020年4月よりも60%近く高くなった。ブラジルでの収穫の遅れ、フランスの霜害への懸念から需要と供給のバランスが崩れる可能性がある。穀物の価格も上昇傾向にあり、今後、小麦とトウモロコシの生産量が増加する見通し。
 また、植物油も高騰傾向にある。コロナ禍などによる主要輸出国での生産量の伸びが予想よりも遅いことから、国際的なパーム油相場の上昇。大豆油、菜種油の価格も上昇したが、ひまわり油の価格は緩やかに下降した。
食肉も高騰傾向にある。東アジア地域での堅調な需要に支えられた牛肉、羊肉、豚肉の価格は上昇傾向にある。同様に乳製品のバター、チーズ、脱脂乳粉なども東アジアでの需要を受けて高騰傾向にある。
 今後の世界の穀物生産とその利用、貿易、在庫に関して、FAOは新しい予測を公表。2020年、全世界の穀物生産量は27億6,700万トンと予測されており、前年度より2.1%増加。2021年はさらに増加すると予測されている。
原因は中国と米国における穀物の飼料利用であり、FAOは全世界の穀物の在庫を8億500万トンに下方修正した。これは7年ぶりの低水準となる。これに伴い、穀物の貿易量は前年比5.9%増の4億6,700万トンに達すると予測され、トウモロコシ、米、小麦が成長品目となっている。
 小麦に関していえば、欧州連合の年間生産量の増加により、2020年の予測値より0.5%の増産が見込まれる。一方で中国、アジア、アフリカなどの在庫総量は2012年から2013年の最低水準に達する可能性がある。
トウモロコシに関していえば、2021年、ブラジル、中国、ウクライナ、米国において作付面積が増加する見通し、また欧州連合における増産によって3年連続の成長が見込まれている。
 しかし価格が高騰し、貧困状態にある人々が食料を買うことができず、また経済システムに関わることができなければ、「貧困と飢餓」のスパイラルは加速することになる。

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