2020年09月11日
パンデミックは子どもの「識字率」にも被害を与える
パンデミックは子どもの飢餓と疾病のみならず「識字率」にも被害を与える
COVID-19パンデミックが、世界中で高齢者の命を奪うと考えられている一方で、貧しい国と地域における子どもたちへの被害は壊滅的なものとなっている。栄養失調、結核、マラリア、エイズ、児童結婚などが明らかに増加傾向にある。国連人口基金によればCOVID-19パンデミックにより、全世界で児童婚1300万人増加し、女性4700万人が近代的避妊法を利用できなくなる可能性を警告している。米紙ニューヨーク・タイムズなどが報じている。
COVID-19による壊滅的な影響を受けた人々は数限りないが、経済、保健、教育システムの崩壊によって社会そのものが不安定となった発展途上国の人々への影響は計り知れない。学校も診療所も閉鎖され、エイズだけでなく、その他の病気の治療に必要な薬の入手は困難となった。マラリア、性器切除に対抗するキャンペーンはやむなく中断・中止されている。
加えて、このような社会経済の危機において顕著になるのが、女児に対する負荷である。児童婚によって新夫の家族からの扶養や経済支援を引き出すために、またはパンデミック下の都市部に出稼ぎへ向かわされ、わずかな収入と食糧と引き換えに家事労働に従事するケースが見受けられる。言うまでもなく、これらは女児にとって、教育の打ち切りとなり、また虐待リスクを抱えることになる。
これら発展途上国における、新たな「貧困と飢餓」は、海外からの送金の激減、ロックダウンと経済崩壊によって引き起こされている。バングラデシュなど、世界各地で「搾取」「差別」の撤廃を目指し、「貧困」「識字率低下」「病気」「社会的不公平」の改善支援を行う団体BRACの報告によれば、リベリア、ネパール、フィリピン、シエラレオネなどで、現地で支援してきた人々の3分の2以上が、収入の大幅減少、または無職となった。
国連はCOVID-19対策のため、総額100億ドルの拠出を求めたが、25%程度しか必要額を満たしていない。最悪レベルの「貧困」状態と判断される人々が、COVID-19パンデミック以来、3700万人増加している。加えて、来年には2500万人増加すると見られている。
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