パンデミックによるインド女性「貧困と飢餓」悪化 | 世界の飢餓ニュース | ハンガーゼロ

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パンデミックによるインド女性「貧困と飢餓」悪化

 インドでは、雇用と教育において大きな男女格差に直面してきた。しかし「都市封鎖」の結果、状況が悪化している。ブルームバーグなどが報じている。

 インドにおける女性の賃金格差は長年の問題となっている。世界平均で男女の賃金格差が16%と言われる中、インドでは35%と言われる。大国インドの半分は、女性によって構成されているにもかかわらず、経済生産に占める女性の割合は18%に過ぎない。「都市封鎖」の結果、労働者としても社会的にも弱い地位にある女性が「貧困」状態となり、やがて「飢餓」に陥ることになる。

 ある25歳の女性は、美容院ではたらき毎月約1万2千ルピー(159ドル)の収入を得て、政府の保育所で働く母親に仕送りをしていた。父親は10年前に他界。しかし美容院は閉店し無収入となった。彼女の兄弟も仕事を失った結果、母親が稼ぐ1500ルピーに再び家族が依存することになった。生活の破綻は目に見えている。

 都市封鎖の結果、失職した女性らは農民へと出戻ることになる。結果、社会保障のない重労働や性産業で働くことになっている。パンデミックによる女性の失職がもたらす経済損失は、オックスファム・インディアによると、約2,160億ドルを超え、国内総生産の8%に達する。世界経済フォーラムの「世界性別格差インデックス2020」は、153カ国中112位にインドを格付け。女性が医療と教育を受けられず、容易に「貧困と飢餓」に直面していることを示している。 

 さらにコロナ禍は、インドの根深い社会的不平等を悪化させている。15分に1回、女性が強姦されているとの指摘もある。インドのインターネット利用者のうち女性は29%しかいない。これらの教育格差、情報格差が、パンデミックによって悪化し、さらに恒常化する危険がある。

 性別を問わない労働環境の基礎の一つは「食の安全保障」だ。気候変動のみならず、コロナ禍のもたらした社会変動が新たな「貧困と飢餓」の発生に拍車をかけている。

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