2020年05月11日
世界食糧計画、危機モニタリングにcovid-19評価を実装、公開へ
世界食糧計画(WFP)は、食糧危機を地球規模でモニタリングできるサイト「Hunger Map LIVE」(https://hungermap.wfp.org/)に新型コロナウイルス感染症の状況確認をできる機能を実装したと発表。パンデミック下における各国政府機関の協力・連携をスムーズに行うために必要な情報を提供し、東アフリカ諸国などに見られる感染症による「貧困と飢餓」の加速防止を目指す。
もともと同サイトは、世界のどこに食糧危機があるか、一目で判るように設計されていたものだ。赤色で示された地域には深刻な飢餓状態がある。順次、赤色より濃い緑色へと食糧危機の深刻さが下がる。赤色が目立つのはアフリカ中央部また東部全域、パキスタン、北朝鮮、ニカラグア、ハイチなどの中南米地域、黄色が確認できるのは、インド、東南アジア、中米諸国だ。
また、全世界の自然災害、紛争、栄養失調、食事量、植物の生産量、降雨状況、IPC(食糧危機基準)フェーズ3以上の地域を、画面下部のマークをクリックすることで地図を切り替えて表示できる。
同サイトは拡大することによって、当該地域や国の状況を見ることができる。例えば、アフリカ東部のマダガスカルを確認すると、その国の「食の安全保障」状態として、人口約2,630万人中、約1,120万人が必要な食糧がないことが示される。マダガスカル島の地図は、ほぼ赤色がオレンジ色で示されている。
5歳未満児の栄養失調状態も確認できる。マダガスカルでは5歳児未満の7.9%が栄養失調状態にあり、そのうち約半数48.9%が慢性的な栄養失調状態にある。他には、貿易、貨幣価値、その地域のニュースも表示する。また都道府県・州ごとの食糧不足の比率も知ることができる。
そして、今回、新型コロナウイルス感染症に関する情報をリアルタイムで更新する機能を実装。世界地図上では、3日、7日以内の集計で感染者数の倍化が確認された地域を表示する。確認すると、医療福祉制度が未整備な諸国など「貧困と飢餓」が問題になっている国と地域に、それらの地域は重複している。また国ごとに、感染者数と死者を表示している。