私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2020年02月10日
FAO「ゼロハンガー世代を目指して」教育資料の提供を開始
同資料は、教育目的で公開。FAOの活動の中心にある地球規模の問題に取り組む教育者を支援する。ゼロハンガー(貧困と飢餓の撲滅)は、まず食品とそれを生産する人々について、また食品がどのような経路で食卓に上がるのかを知ることから始まる。その上で、食品を持たない人々とどのように分かち合うことができるのか、という点を明確にしなくてはならない。この「ゼロハンガー」の知識と意識を次世代に継承すること自体が、人類の「食の未来」に必要不可欠なことなのだ。
1.「気候変動」食料と農業
人類の日常生活、あらゆる決定と行動は良くも悪くも「気候」に影響を与えている。結果、気候「変動」は地球規模の問題となり、世界そのものを変えてしまう。自然災害と環境破壊は、そのまま食糧難へと直結するのだ。また2050年までに96億人に達すると予測される人口を養うためには、「持続可能な開発」が前提となる。
http://www.fao.org/3/i9420en/I9420EN.pdf
2.「ゼロハンガーのための活動」
世界的にみて「飢餓」は明らかに増加している。例えば、2015年に飢餓状態にあると見なされた人々よりも、2016年のそれは3億8千万人も多くなっている。この人口はインドネシア、アメリカ、パキスタンの全人口よりも多い。「ゼロハンガー」の使命は、この数字をゼロにすることにある。FAOは1945年以来、飢餓と戦うための国々を支援してきました。ゼロハンガーこそ、FAO最大の使命である。2003年、ブラジルは「貧困と飢餓」から数百万人を救い出すために、政府が動いた最初の国だ。では「ゼロハンガー」とは何を意味しているのか。
1. 食料安全保障:毎日、誰もが健康的な食料を利用できる状態にあること。
2. 健康な栄養:人々が健康な生活に必要なすべての栄養素を確実に摂取できる生活。
3. 持続可能な農業:地球環境と共存可能な天然資源の利用。
4. 貧困撲滅:先進国/後進国を問わず、貧困は栄養失調を招くので、貧困を改善する。
この「ゼロハンガー」は、国連が掲げる17項目の「持続可能な開発目標(SDGs)」の第2番目であり、あらゆる国連機関が批准し推奨する。
http://www.fao.org/3/i9420en/I9420EN.pdf
3.「FAOガイドブック」
このガイドブックは、FAOの歴史を学ぶための教材となっている。1945年の創設以来、国連食糧農業機関(FAO)は「世界をあらゆる人々にとって公平な場所とするために」活動してきた。2030年までに飢餓を撲滅し、人類の「食の未来」を確立するために、「ゼロハンガー」世代を育ててほしい。
http://www.fao.org/3/i9752en/I9752EN.pdf
© FAO, 2020