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世界食糧計画(WFP)サハラ砂漠での取り組み

 この100年間でサハラ砂漠の面積は約1割拡大した。すべての砂漠は乾季に拡大し、雨季に縮小するものだ。東西5,600km、南北1,700km、アフリカ大陸北部にまたがる世界最大の砂漠は、世界的な気候変動と異常気象の結果、拡大し続けている。

 世界食糧計画(WFP)は、2019年前半、チャド・バタ州で地元の母親らの協力を得て砂漠の拡大を食い止める働きを開始。母親たちはゾボ村の保育園で働きながら、砂漠緑化のために旱魃に強い植物の苗を育てている。すでに20村、約25万本の苗木を供給した。

 サハラ砂漠の南部乾燥地帯サヘルでは種子が発芽しにくいので、成長するのに水をほとんど必要としない品種(アカシア、モリンガなど)が植えられている。保育園では、タマリンド、マンゴー、グアバなどの果樹も生産され、食料危機と水不足が背中合わせの地域において「飢餓撲滅」に一役買っている。

 ゾボ村に近いバルダーマラ村では、雨水貯留技術によって植林を開始。「ハーフムーン:半月」と呼ばれる耕作法が用いられる。それは、雨水を保持する空洞を備えた、半円形の土の堤防だ。樹木、穀物、野菜がその周辺に植えられて、より多様な食物生産を可能とし、持続可能な土地の利用を目指す。WFPは、収穫までの期間、参加農家が飢えないように経済的支援を行う。

 また隣村ブレゲビルギでは深刻な「水不足」が常態化していた。10月から5月が乾季のため、農業生産は制限されている。深さ70メートルの井戸を掘っても、十分な地下水が出てこない土地である。2018年以来、WFPは、ブレゲビルギ村を含む五つの村、2,000世帯を支援し、773ヘクタールにおいて食糧栽培の準備を整えた。

 アラビア語で「サハラ」は砂漠を意味し、「サヘル」は海岸線を意味する。チャド・バタ州は、地球上最大の砂漠に隣接し、気候変動の影響を受ける最前線だ。WFPは人々とともに、天然資源の効果的管理、急激な環境変化への適応対策を模索し始めている。なお「サヘル」でのWFP事業は、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)の支援が基礎であり、「ゼロ・ハンガー」を目指す国際協力の一例となっている。

©WFP/Agron Dragaj

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