私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2019年09月09日
8月25~30日、世界水週間2019(WWW2019)に伴い、スウェーデンのストックホルムで会議、各種イベントが開催された。人類全体の課題として「水」資源の公平な配分と持続可能な利用、管理と保全技術の共有を、ストックホルム国際水協会(SIWI)トルグニー・ホルムグレンSIWI事務局長らが訴えた。また中国からは公衆環境研究センター(IPE)馬軍氏が参加し、汚染データベースの役割を指摘するなど、世界各地から参加者が集った。
現状の改善がなければ、2051年には世界人口の52%、全世界の穀物生産量の40%が深刻な危機にさらされる。気候変動による各地での旱魃も大きな問題となっている。
たとえばアフリカ東部では、極度の乾燥とわずかな降水量によって、水と食料の供給は悪化の一途をたどっている。穀物生産量は、2018年と比較して5.6%減少の見込み。ケニアとスーダンでは、さらなる悪化が予測されている。結果、主食となるトウモロコシなどの価格高騰を招いている。またソマリアでも「水」不足によって「食料の安全」は脅かされている。
アフリカ西部モーリタニアでは、気象観測所が8月に記録的降水量不足を報告。過去20年間でバイオマス生産が最低レベルを記録。セネガル北部でも同様の状況である。ジンバブエでは、悪天候により2019年の穀物収穫量が半減。来年には、食料不安状態と見なされる人々が倍となる見込みである。
またアジアでも「水」不足とその配分は深刻化している。大韓民国の作物生産は降水不足によって通常よりも減少すると予測されている。少なくなると予測されている。世界食糧計画(WFP)によれば、食料援助の必要も考えられる。
国連食糧農業機関(FAO)は、51ヵ国を低所得・食料不足国(LIFDC)と認定。2019年の穀物総生産量は、4億7350万トンとほぼ変わらず、アジアの成長がアフリカの減少によって相殺されたとみている。
世界「水」週間の先には、水と食料の安全保障がある。