私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2019年06月10日
ヨーロッパと中央アジア、それぞれにまったく異なる地域であるにもかかわらず、二つの地域は食糧安全保障に関しては一つの課題を共有している。それが「肥満と微量栄養素欠乏症」だ。この差し迫る課題解決のためには、国際社会での政策パートナーシップ、社会的保護、栄養に配慮した食料システムを構築する必要がある。
国連食糧農業機関(FAO)は、飢餓が「伝統的な問題」である他地域と比較して、ヨーロッパと中央アジアの諸地域は、栄養状態が優れていると指摘。肥満人口の増加につながっていると警鐘を鳴らした。ヨーロッパやより豊かな国々では、栄養不良の問題ではなく、過食の問題であることが自明の事実である。これらの問題に取り組むには、広範囲の食糧教育が必要であり、小規模農家が地場産業として持続可能な経済活動を続けられるように保護しなくてはならない。
「隠れ飢餓」と肥満という病
セルビア栄養代謝研究センターのM.グリノヴィ博士は、これらの地域における「栄養失調は、健康被害と、高い社会的・公的費用を擁する人口のために、多くの国で社会経済的発展への大きな障害である」と指摘。過去10年間、ヨーロッパと中央アジアにおける栄養不良率は減少したが、2017年から現在までは停滞していると述べた。
同氏によれば、微量栄養素の欠乏症とは「隠れた飢餓」であり、貧血の原因となる鉄分不足などが具体的事例として挙げられる。女性の貧血はコーカサスと中央アジアでは38%という高い発症率に達している。同様に、人口の25%が肥満状態にある。
コーカサスおよび中央アジアでは、過去20年間で「肥満」率は、過去最高を記録し、肥満による有病率は2000年から2016年までだけで40%増加した。西バルカン諸国とトルコが、特に顕著な傾向を示している。
その一方で、タジキスタンにおける飢餓、貧困および栄養失調が問題となっている。会議に出席したタジキスタン農務副大臣は、同国における取組と経験を議場に共有し、FAOとタジキスタン政府が協働した農業開発支援プロジェクトを紹介した。
(写真キャプション)
©FAO/Nyacheslav Oseledko
欧州と中央アジアの課題:肥満と微量栄養素欠乏症
ヨーロッパと中央アジア、それぞれにまったく異なる地域であるにもかかわらず、二つの地域は食糧安全保障に関しては一つの課題を共有している。それが「肥満と微量栄養素欠乏症」だ。この差し迫る課題解決のためには、国際社会での政策パートナーシップ、社会的保護、栄養に配慮した食料システムを構築する必要がある。
恵まれた地域の問題
国連食糧農業機関(FAO)は、飢餓が「伝統的な問題」である他地域と比較して、ヨーロッパと中央アジアの諸地域は、栄養状態が優れていると指摘。肥満人口の増加につながっていると警鐘を鳴らした。ヨーロッパやより豊かな国々では、栄養不良の問題ではなく、過食の問題であることが自明の事実である。これらの問題に取り組むには、広範囲の食糧教育が必要であり、小規模農家が地場産業として持続可能な経済活動を続けられるように保護しなくてはならない。
これらの諸地域において「構造化された飢餓」は過去のものである。しかしFAO欧州・中央アジア地域代表ウラジミール・ラフマニン事務局長は、「高度の繁栄にもかかわらず、栄養失調は依然として存在する」と述べ、国境を超えた気候変動の深刻な危機に注意を促した。同氏は、小規模農業への支援、農産物取引と市場統合の改善、気候変動下における持続可能な天然資源管理の三つを最優先事項として指摘。
「隠れ飢餓」と肥満という病
セルビア栄養代謝研究センターのM.グリノヴィ博士は、これらの地域における「栄養失調は、健康被害と、高い社会的・公的費用を擁する人口のために、多くの国で社会経済的発展への大きな障害である」と指摘。過去10年間、ヨーロッパと中央アジアにおける栄養不良率は減少したが、2017年から現在までは停滞していると述べた。
同氏によれば、微量栄養素の欠乏症とは「隠れた飢餓」であり、貧血の原因となる鉄分不足などが具体的事例として挙げられる。女性の貧血はコーカサスと中央アジアでは38%という高い発症率に達している。同様に、人口の25%が肥満状態にある。
コーカサスおよび中央アジアでは、過去20年間で「肥満」率は、過去最高を記録し、肥満による有病率は2000年から2016年までだけで40%増加した。西バルカン諸国とトルコが、特に顕著な傾向を示している。
その一方で、タジキスタンにおける飢餓、貧困および栄養失調が問題となっている。会議に出席したタジキスタン農務副大臣は、同国における取組と経験を議場に共有し、FAOとタジキスタン政府が協働した農業開発支援プロジェクトを紹介した。
(写真キャプション)
©FAO/Nyacheslav Oseledko
欧州と中央アジアの課題:肥満と微量栄養素欠乏症
ヨーロッパと中央アジア、それぞれにまったく異なる地域であるにもかかわらず、二つの地域は食糧安全保障に関しては一つの課題を共有している。それが「肥満と微量栄養素欠乏症」だ。この差し迫る課題解決のためには、国際社会での政策パートナーシップ、社会的保護、栄養に配慮した食料システムを構築する必要がある。
恵まれた地域の問題
国連食糧農業機関(FAO)は、飢餓が「伝統的な問題」である他地域と比較して、ヨーロッパと中央アジアの諸地域は、栄養状態が優れていると指摘。肥満人口の増加につながっていると警鐘を鳴らした。ヨーロッパやより豊かな国々では、栄養不良の問題ではなく、過食の問題であることが自明の事実である。これらの問題に取り組むには、広範囲の食糧教育が必要であり、小規模農家が地場産業として持続可能な経済活動を続けられるように保護しなくてはならない。
これらの諸地域において「構造化された飢餓」は過去のものである。しかしFAO欧州・中央アジア地域代表ウラジミール・ラフマニン事務局長は、「高度の繁栄にもかかわらず、栄養失調は依然として存在する」と述べ、国境を超えた気候変動の深刻な危機に注意を促した。同氏は、小規模農業への支援、農産物取引と市場統合の改善、気候変動下における持続可能な天然資源管理の三つを最優先事項として指摘。
「隠れ飢餓」と肥満という病
セルビア栄養代謝研究センターのM.グリノヴィ博士は、これらの地域における「栄養失調は、健康被害と、高い社会的・公的費用を擁する人口のために、多くの国で社会経済的発展への大きな障害である」と指摘。過去10年間、ヨーロッパと中央アジアにおける栄養不良率は減少したが、2017年から現在までは停滞していると述べた。
同氏によれば、微量栄養素の欠乏症とは「隠れた飢餓」であり、貧血の原因となる鉄分不足などが具体的事例として挙げられる。女性の貧血はコーカサスと中央アジアでは38%という高い発症率に達している。同様に、人口の25%が肥満状態にある。
コーカサスおよび中央アジアでは、過去20年間で「肥満」率は、過去最高を記録し、肥満による有病率は2000年から2016年までだけで40%増加した。西バルカン諸国とトルコが、特に顕著な傾向を示している。
その一方で、タジキスタンにおける飢餓、貧困および栄養失調が問題となっている。会議に出席したタジキスタン農務副大臣は、同国における取組と経験を議場に共有し、FAOとタジキスタン政府が協働した農業開発支援プロジェクトを紹介した。
(写真キャプション)
©FAO/Nyacheslav Oseledko