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食料安全保障と農薬 

FAO、農薬取引情報交換に関する条約を拡大

特定有害化学物質の取引に関する「ロッテルダム条約」の更新

2019524日、ローマ

 国連食糧農業機関(FAO)は、有害農薬の取引を管理する「国連ロッテルダム条約」への参加更新する覚書に署名した。この条約は、国連環境保護局(UNEP)と締約国会議(COP)との間で30年前に締結された、国際貿易における特定有害化学物質と農薬の事前開示手順に関する議定書。各国政府が産業リスクを評価するために使用され、2004年には約161カ国が条約に署名・発効している。すでに52の特定化学物質(農薬37)が、現在、貿易管理措置の対象となっている。

 FAOは、ロッテルダム条約において農薬に関し、特に人々への健康被害、環境破壊に関して責任を負う。条約加盟国と連携し、潜在的リスクを報告・警告し、今後も問題ある農薬をリスト化する。なぜなら、不必要または危険な農薬使用の削減が、持続可能な開発を促進するFAOの基本方針と合致するからだ。

 このため、関連機関において、農薬登録キットの開発、世界中の農家への総合的な害虫管理プログラムの提供を行い、農薬の技術的代替案と適切な安全対策を推進している。各国における適切な支援の確立のために、FAOは支援体制を整えている。 

 また特定有害化学物質の使用量削減が、生物多様性の保全に貢献することは言うまでもない。ロッテルダム条約は、有害化学物質の管理ができない国へは輸出禁止措置、問題発生以前の阻止を意図している。産業発展とともに深まる食糧安全保障のリスクを未然に防ぐことが狙いだ。

 

 加えて、ロッテルダム条約は、有害廃棄物の越境移動、その処分規制に関する「バーゼル条約(1989)」、また残留性有機汚染物質に関する「ストックホルム条約(2001)」との相乗効果が期待されており、これらの条約の締結国と関係機関の会議が2019年5月初旬、ジュネーブで開催された。

 

(写真キャプション)

©FAO/Dorin Goian

 

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