私たちの知らないところで起きている飢餓問題の現状を知ろう。
2019年01月07日
人々の食事は、食生活と文化、そもそも入手できるかという問題から場所によって大きく異なっている。また昨今の社会的変化は「良い食事をする」という選択をより複雑にしている。多くの国々が栄養不足という難問に対処せざるを得ない一方、高脂肪・高糖分・高塩分の食事をする人々が増えている。都市化、仕事の多様化、交通手段の変化により、肥満と病気の危険にさらされている人口が増加している。
1975年以来、世界的な肥満人口の割合は、ほぼ3倍になり、糖尿病、心臓病、癌などの健康問題が深刻化している。この傾向は、高い所得を得ている国に限定されていない。事実、中低所得国では、太りすぎや肥満の人々の数はさらに速いペースで増加している。所得の高低を問わず、発育阻害、浪費、必須栄養素の欠乏に対処する必要がある。そのためにも、食事療法のガイドラインが重要となる。
国連食糧農業機関(FAO)では、100カ国以上の地域に根差して、食糧状況と人口に適応した食事ガイドラインを開発・公開し、特に次の7点を推奨している。
1. 野菜や果物をたくさん食べる
一部の国では、毎日摂取すべき果物と野菜の摂取量について非常に具体的だ。たとえば、ギリシャは6個、コスタリカとアイスランドは5個、カナダでは、緑黄色野菜の中から濃い緑色1個、黄色1個ずつ。数え方や分量はさまざまだが、毎日、新鮮な野菜と果物を食べること推奨している。
2. 脂肪摂取量を見る
固形の飽和脂肪を減らし、動物性脂肪を植物性油脂に置き換える。ギリシャではオリーブ・オイル、ベトナムではゴマ油または落花生油が推奨されている。現地での入手可能性と文化的嗜好性が考慮されている。
3. 糖分の多い食品と飲料を控える
加工糖過多が健康に有害であることは一般に認められている。低糖食を維持し、甘味で満足するためには、加糖飲料や菓子よりも果物を選ぶことが推奨される。
4. 塩化ナトリウムを減らす
あらゆる国で減塩食が健康に有益であるとされている。ナイジェリアは、ブイヨン・キューブの使用を減らし、マルタは塩分過多の既製食品を制限することを指定した。コロンビアは、加工肉、缶詰食品など、塩分の多い包装製品を制限することを提案した。
5. 定期的に水を飲む
渇きを癒す最高の飲料は水だ。清涼飲料水、アルコールなどではない。言うまでもなく、飲用水の安全性は確保されねばならない。
6. アルコールはほどほどに
アルコール、それがビールであれ、ワインであれ、またはスピリッツであるかどうかにかかわらず、アルコールを飲むならば、適量でやめなければならない。
7. 毎日、身体活動を一日の一部にする
事務作業など座りがちな仕事に就く人は、毎日少なくとも30分以上運動することが推奨される。ベニン共和国におけるガイドラインは、肉体労働に従事する人々には、運動追加がさほど重要でないと指摘している。