ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2024年09月25日
2023年4月15日にスーダンの首都ハルツームで、スーダン国軍と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)の間の激しい戦闘が勃発しました。RSFはダルフール地方で活動していた民兵組織から発展した軍事組織です。スーダンでは、2021年のクーデターで軍が実権を握り、民政移管に向けて協議が進められていましたが、国軍とRSFの統合について両者が対立しており、今回の武力衝突が起きてしまいました。
戦闘は未だ終結しておらず、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表では2024年8月時点で1,000万人以上が避難を余儀なくされています。国内避難民となる人、また、ハンガーゼロのパートナー団体であるライフ・イン・アバンダンス(LIA)が活動しているエジプトや南スーダンなど近隣の国々に逃れる人たちも急増しています。
100世帯以上に食料とシェルター建設の資材を提供
ハンガーゼロは、武力衝突が発生して間もなく、LIAと協力して、スーダン国内ならびに南スーダンにおいて避難を余儀なくされている100世帯(約500人)以上に緊急の食料援助とシェルターを建てるための材料を提供しました。
地元の複数のキリスト教会の協力により、最も助けが必要な100世帯を速やかに見つけ出し、豆、小麦粉、調理油、米、砂糖などの食料と衛生用品の支援を実施することができました。更に、今回の戦闘のような大規模な危機に直面した際に、地元の教会がトラウマ(心的外傷)、和解と平和などの課題に対応し、物心両面の必要に応えていくことができるように、コミュニティに変革をもたらす開発の基本原則と応用についての研修を実施しました。
【受益者の声】「今までこのような援助はありません」
食料配給の後、マリアムさんとサディアさんという2人の女性にお話を伺いました。
2人が受け取ったのは、それぞれにソルガム1袋(トウモロコシの一種)、水を入れるための空のポリタンク、500mlの調理油と塩(写真㊤)のみですが、「南スーダンのジュバ(首都)に来てから、どんな団体からもこのような援助を受けたことはありません」更に「また畑を耕すことができるようになれば、継続的に食料を得ることができるので、とても助かります。でも、スーダン国内は無法状態で治安が悪く、今は難しいですから、避難場所の近くでオクラや豆を育てるぐらいしかできません。ご支援を頂き、本当に感謝しています。必要な資金が満たされて、より多くの人々が助けられるように祈っています」と話しました。
戦闘開始から1年以上が経過していますが、終結の目途はついていません。食料価格の上昇と援助資金の不足のため、避難をしている方々、特に子どもたちの間で、栄養失調が増加しています。ハンガーゼロは、LIAと協力して、再度食料支援を実施します。ぜひご協力をお願いいたします。
訂正:地図中のスーダンと南スーダンの位置が誤りでしたので訂正いたしました。
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