コンゴ民主共和国・カレミ地域 現地訪問レポート | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

コンゴ民主共和国・カレミ地域 現地訪問レポート

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報告 HOLC代表 ジェロム・カセバ(ハンガーゼロ・アフリカ担当)

2024年5月〜6月にルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国を訪れた報告をさせて頂きます。

 アフリカ大陸は、希少金属、コバルト、銅やダイヤモンドなどの貴重な資源と自然の美しさに恵まれています。しかしそこには貧困、汚職、政情不安、飢餓、継続的な紛争があります。このような可能性を秘めた大陸が、人間の貪欲さ、利己主義、誤った考え方によって開発と産業で遅れをとっているのです。

 しかし、私は今回コンゴのカレミという地域で行われている取り組みに大きな希望を見出しました。それは、対立していた二つの部族が共に農作業を通して平和の取り組みを行なっているからです。この取り組みが一つの大きなモデルとなり他の地域に影響を及ぼすことを期待しています。

部族間対立から共存と協力への道へ

 5年前の2019年、HOLC(ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ)はカレミ地域、具体的にはルファンクウェ村で、対立する2つの部族、バントゥー族とピグミー族の間の和解のプログラムを始めました。これらの部族の間には以前から、天然資源、政治、土地の支配をめぐって激しい対立があります。しかし私たちが活動してきた村でこの2つの部族が、平和が開発と共生に不可欠であることを認識し、お互いを許し、和解と平和作りを始めました。お互いを許すことが、次の世代の未来の基盤を築いていくことを確信したのです。

 彼らのコミュニティ農場での5年間の共存と協力を目の当たりにし、HOLCはカレミでの活動の第1段階の大成功を基に「スペースフォーピース」と呼ばれる、和解プログラムの次の段階を進めていくことにしました。

 許しと和解に焦点を当てた最初の段階に続き、私たちの現在の目標は、地域をコミュニティ間や部族間の紛争のない「平和の空間」に変えていくことです。この変革は私たちだけでできることではなく、コミュニティ全体すなわち各メンバーの努力が必要となります。これを通して神が定めた尊厳ある生活を取り戻すために不可欠な、安全と安心を人々が手にできるように支援することを目指しています。

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「スペースフォーピース」

 この和解プログラムは、民族間の対立が暴力にエスカレートする前に管理し防止するように設計されています。これは、和解に向けた私たちの取り組みにおける重要な一歩です。

 新しいグループ「スペースフォーピース」(平和づくりのためのグループ)に取り組む能力を身につけるトレーニングに参加するために、各村は3〜5人の代表団を派遣しました。平和的共存に関する議論では、同じ社会グループと異なる社会グループのメンバーが定期的に情報を共有し対話をすることで、関係を維持し紛争や緊張を防ぐことに重点が置かれました。そして2つのコミュニティのメンバーが一緒に暮らし平和的に共存するために、この新しい生活状況から生じる緊張を回避するにはどうすればいいかを考えました。

平和実現のためのメッセージ

 和解についての会議の後、さまざまな村からの参加者と代表者たちが、紛争を防ぎ平和で暴力のない環境を育むために重要と思われるメッセージを作成しました。

◦性別や民族に関係なく手を携えて協力し、発展に不可欠な平和を追求しましょう。

◦平和は選択であり、安全はすべての人の責任です。

暴力に直結する紛争を防ぐために行動しましょう。

◦暴力につながる部族主義、排除、コミュニティ間の紛争を拒否します。永続的な平和、社会的結束、人間の尊厳の尊重のために協力しましょう。

◦憎しみに満ちた暴力的な発言をやめ、現在および

将来の世代のためにより良い未来を創りましょう。

◦私たちのコミュニティの多様性は私たちの豊かさと

強さです。それをすべての人のために平和的に維持する方法を考えましょう。

◦部族の違いや利害にかかわらず私たちは団結しなければなりません。お互いを受け入れ非暴力を推進しましょう。 

◦私たちの村の避難民は私たちの兄弟姉妹です。彼らは祖国の治安状況により家を追われて逃げざるを得ませんでした。彼らは逃げる途中で食料、家畜その他の所有物をすべて失いました。彼らを受け入れもてなし、彼らの社会への統合を促進するために働きましょう。共に暮らすことが彼らの苦しみを和らげ、士気を高める唯一の方法です。

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 これらのメッセージを共有し議論した後、私たちは「スペースフォーピース」という概念を確認しました。これによって、すべての受益者が満足する和解プログラム「スペースフォーピース」の新しい段階を確立するという目的を達成しました。

 持続可能な平和のための対話と平和が存在する、暴力のない環境での生活(スワヒリ語でFASI YA AMANI)に向けて、彼らを導くファシリテーターのチームが結成されました。対話と早期警告メカニズムの欠如が、これらの村の問題と紛争の根本的な原因であることが明らかになったので、この新しい段階の進捗状況を監視するために、「スペースフォーピース活動監視フォーム」が参加者に配布されました。このフォームにより、現場でのプログラムを監視、評価できるようになります。ファシリテーターは、問題の記録、受け取った問題の数、スペースフォーピースのグループで議論が行われたかどうか、問題がどのように解決されたかなどをこのフォームに記入します。これらのファシリテーターの活動は、それぞれの村のメンバーが平和づくりのためのグループ「スペースフォーピース」の概念を理解し、紛争が暴力的になるのを防ぐのに役立つことでしょう。

コンゴ民主共和国での取り組みを支えるために、引き続きハンガーゼロサポーターとなって応援をお願いいたします。

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