ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2024年06月07日
ルハバ!(トルコ語でこんにちは)
4月の約2週間、ハンガーゼロの親善大使としてトルコ地震被災地を巡り、各地で9回の支援コンサートを行いました。2023年2月6日に発生したトルコ・シリア大地震より一年余。現地はまだまだ厳しい状況でしたが、歌で心をつなぎ、直接心の支援をお届けできた忘れられない旅となりました!皆様に感謝を込めて、旅のご報告をさせて頂きます。
日本から仁川経由でイスタンブールへ。空港にて現地在住の琴奏者・末冨敦子さんとB氏が笑顔で迎えて下さいました。翌朝、国内線でトルコ南東部の都市ディヤルバクルへ。最初のコンサートは、そこから更に車で1時間程走った町・マルディンです。ちょうどラマダン明けのホリディで、街は観光客でごった返していました。歴史的建造物であるマルディン教会も人々であふれ、リハーサルどころではありません。トルコ語で歌うのも初めてでしたが覚悟して、ぶっつけ本番でコンサートスタート!満席のお客様は、初めて見る日本人に大喜びで、すぐに手拍子で盛り上がり、スマホで録音。私も不思議なほどトルコ語の歌があふれ出て「心がつながった!」そう感じました。
翌日の日曜日は、ディヤルバクル教会での礼拝です。ハンガーゼロスタッフの申牧師のお話しの前後に歌う予定でしたが、プログラムが変わり、コンサートに⁉大慌てで曲を選んで臨みました。歌う直前、アフメット先生が「自由に賛美して下さい」と言われましたが、イスラム教の方が多い中で、福音歌手として普通に賛美できる恵みをかみしめ歌いました。この街でも地震で400人が亡くなり、アフメット師も支援活動に奔走されています。深い神の臨在に満ちた礼拝となりました。
イスケンデルンの被災状況に言葉を失う
月曜日は、ディヤルバクルより地中海沿いの町イスケンデルンまで420㎞をバスで移動。車窓からは壮大な台地が広がり、羊が草を食んでいます。途中ガズィアンテプやカフラマンマルシュなどの震源地を通りましたが、実際には震源地よりハタイ県の方が被害が甚大だそうです。夕方6時、ようやく到着したイスケンデルンの被災状況に言葉を失いました。
翌日、そこから車で2時間程の町サマンダーへ。ここには、KFHIや韓国救世軍が支援している施設があり、婦人たちはミシンの作業をして、子どもたちは絵や音楽を習っていました。被災された方々が手作りの料理でもてなして下さり、私たちの方が励まされた気がします。子どもたちに紙風船や折り紙を教え、一緒に歌ったひと時はかけがえのない時間でした。
支援で建てられた幼稚園の開所式で歌う
そして何より嬉しいことは、この地にハンガーゼロの支援によって幼稚園が建設されたことです!私たちの訪問に合わせて開所式が行われ、市の教育長たちと共にテープカットを致しました。日本の皆様の支援が確実に実を結び、この施設が完成したことは何という喜びでしょうか!震災直後にこの地を訪れていた申スタッフも感無量の表情でした。ここでのコンサートも大いに盛り上がり、伝統楽器サズ奏者のエルドアンさんとのコラボで「ウスクダラ」を歌えたことも特別な思い出です。
2000年前の出来事がいま再び
サマンダーから車で30分程の町アンタキヤは、聖書に出でくるアンテオケのことで、最初にユダヤ人以外の教会ができた地です。地震により町全体が壊滅状態になり、40万の
人口が半分近くまで減少。「メシヒチ教会」も被害を受け、仮設の会堂で礼拝していますが、震災後、地域の方々が教会に来るようになり日曜日には入りきれない程だそうです。ハムドゥラー牧師は、聖書から「弟子たちは、アンテオケで初めて、キリスト者と呼ばれるようになった。」を引用しながら、「震災前に交流がなかった地域の人が、私たちをキリストの弟子と呼ぶようになった。二千年前の出来事が現代にも起こっているんです!」と話され、鳥肌が立つほど感動しました。
12名の親族を失った婦人の言葉が胸に響く
メシヒチ教会で歌った後、午後は、「クルトゥルス教会キャンプ場」でのコンサート。野外でホコリと砂煙が舞う中でしたが、声も守られました。最初からずっと泣いておられたご婦人は、娘さんを含む12名の親族を失ったそうです。「あなたが弟を失っても怒ったり、呪ったりせず、逆に希望を届けている姿に励まされた。自分もそのように生きていきたい」と言われた言葉が胸に響きました。
アンテオケからアダナへ移動し更に1時間程走った地にあるメルスィン教会にも、被災者が身を寄せ支援物資であふれていました。この教会では、6,000人もの方々に物資を配っているそうです。ご主人を失った若い婦人は、赤ちゃんを抱きながら「主人がクリスチャンだったので教会に来てみました。ようやく希望を持つことができました」と話されました。
共に歌い、共に泣き、手を取り歌ったコンサートは、いずれも驚くほど恵みに満ちていて、私が歌っているのでない、神様が被災者の方々を慰めようとされていると感じました。
私自身、阪神大震災で弟を失いましたが、その悲しみがなければトルコの被災地へ来ることはなかったと思います。弟の命が誰かの希望につながっていると思うと、悲しみは悲しみで終わらないと思います。トルコ地震の現状はまだかなり厳しいですが、報道にも取り上げられず、支援が行き届かなくなっています。どうぞトルコに何十万もの家や職を失い苦しむ人々がいることを忘れないでください。そして皆様の支援が、人々に生きる希望を与えることを覚えて頂ければ幸いです。細やかなご準備を下さった現地の末冨さん、B氏はじめ皆々様のお支えとお祈りに心より感謝しつつ、またいつの日か更に復興したトルコの地を訪れ、共に笑顔で歌える日を心から待ち望んでいます。
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00170-9-68590 (一財)日本国際飢餓対策機構 必ず「トルコ地震」を明記
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