ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2024年01月09日
1月9日報告:ハンガーゼロ能登半島地震緊急支援 先遣隊 鶴浦弘敏
1月6日、能登半島地震に見舞われた激震地の一つ輪島市門前町に車に物資を積んで入りました。今回は、同じ支援に取り組んでいるOBJ(オペレーション・ブレッシング・ジャパン)のメンバーも含めて車4台で門前を目指し、交通渋滞を避けて通れる海岸沿いのルートでたどりつくことができました。
ハンガーゼロは、緊急支援先の遣隊として近藤高史常務理事(緊急支援班長)と前回の地震で緊急支援を経験し、地元が郷里である鶴浦弘敏スタッフ(広報担当)を派遣しました。
届けた物資は、東日本大震災の支援団体FUKUSHIMAいのちの水プロジェクトから提供された大量の水や毛布(ハンガーゼロが輸送費を負担)、ハンガーゼロがパンアキモトから提供されたパンの缶詰のほか日用品や衛生用品など多数。
物資は、輪島市の門前総合支所(役場)で被災者のお世話係を担う元職員の池田友春さん(鶴浦スタッフと親戚関係)に面談の上、物資集積場所となっている門前町総合運動公園内の体育館に運びました。
門前町(人口7500人余)でも多数の家屋が倒壊、余震も続く中、この役場や町民施設、高校などに分散して避難者の受け入れを続けています。
輪島市門前町 總持寺通り商店街 沢田由紀子さんと再会
ハンガーゼロは、2007年3月25日に発生した能登半島沖地震の被災者救援のため、緊急支援チームを激震地の一つ、門前町に派遣し、町内にある門前聖書教会を活動拠点とし、被災した家屋や商店の片付け応援などを約1週間の日程で実施しました。当時、片付けのお手伝いをさせていただいた沢田陶器店主の沢田由紀子さんに、この度再会。地震当日の様子を伺いました。
16時6分に携帯の緊急地震速報が鳴ったのでテレビで珠洲の地震の映像を見ていました。すると突然、輪島市の映像に切り替わるやいなや「ガタガタガタガタ」ときて、びっくりしてテーブルの下に潜り込みました。それでストーブを消して、老齢で目が見えなくなった猫ちやんを抱いてどうにか外に出ました。ほかの猫ちゃんもいたのですが、すぐに逃げたみたいです。私は1階のお店でお正月の準備をしていました。いまは怖いので店の前の駐車場で車中泊を続けています。
ここは沢田さんの声がけで2007年に片付けをしたお宅でしたが今回は全壊です・・
それで家の外に出たときには、うちの前の家が三軒も潰れていました。でも潰れるときの音とかなにも聞いた覚えがないんです。一気にぐしゃっとなったみたいです。壊れた家のひとつは私の同級生の嫁き先だったのですが、幸いにも命は助かりました。
お店(兼住居)は、前回の地震(2007年能登半島沖地震)で半壊だったんですが、土台の補強工事をしたおかげで今回はかろうじて大丈夫でした。しかし、店内の陶器はきれいさっぱりダメになりました。また少し離れたところにある倉庫もシャッターを開けただけで「もういいや、当分は」と思う位の有様でした。前のときは、まだちょっと若かったから、「よし片付けるぞ」と元気は出たけど、今回はどの商店の方も深いうめきのようなため息ついて「あんときの力出てこんね」と言っています。
壊れた陶器類が散乱する店内、床下の地割れは余震の度に広がってきているという
通りの一角にあった2007年の地震を伝える掲示板もこのように
地震の揺れは前回と比べてどうでしたか?
もう半端じゃなかった、ひどい。前の時は震度6(記録は6強)で今回は7で、6と7の違いがこんなにもあるのかなって。余震も1日2回は強いのがドンときます。でも携帯が使えなくなったし、役場の緊急放送が流れるのは余震が過ぎた後です。余震のたびに地割は広がっていてうちの床下にも伸びてきています。
道のマンホールの隆起もすごいです。地面が隆起だけでなくだんだん下がっていくところもあります。だって海が4メートルも隆起したっていうじゃないですか。それでみんな笑っているけど、そのおかげでアワビがすごく上がったって聞いています。
電気も通信もダメになったので、電気屋さんがラジオを置いていってくれたんです。地震の後は不気味なくらい静かなのでラジオを鳴らしたら「おおいいね」みんなで言っていたら今度は電池がなくなってきて、近くのホームセンターに走ったんだけど全然なくって、金沢の知り合いが来る時に「持ってきて!」って頼みました。
撮影の許可は得ています
家の片付けは
家が壊れた知り合いは1日おきにきて片付けを始めていますが、ここにずっといると気が滅入るので、金沢に行って目線をそらして英気を養ってからまた片付けにはいるっていっています。みんなそれぞれ大変ですよ。とにかく怖いんです。何が起こるかわからないので、私は上から物が落ちてきてもいいようにヘルメット被って少しづつ整理を始めています。ぜひ、この商店街をみてやってください。ほんとひどいです。
「(2007年)前の地震のあとに私の親は亡くなったんですが、親たちは死んでよかったねとみんなで言っているんです。だってこんなひどい地震を2度も経験させられないからねって・・」
インタビユーを終えた後、沢田さんが最後にポツリと言われたこの言葉がもっとも深く心に響きました。1日も早く余震の恐怖から解放されて、厳しい試練と向き合い、生活再建が少しづつでも始まっていくことを願うばかりです。
門前、さらに被害が甚大な珠洲、輪島など被災された人々のために作られた、地元石川県のキリスト教会支援ネットワークをサポートするため、ハンガーゼロは九州キリスト災害支援センター、OBJなどの多数の支援グループと力を合わせていきます。
ぜひ応援をお願いいたします。これからも現地からの続報を届けます。
幸いにも門前聖書教会は健在でした。中央のトラス宣教師夫妻はすでに支援を始めています。ハンガーゼロは今回も同教会と力を合わせていきます。
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00170-9-68590 (一財)日本国際飢餓対策機構 必ず「能登地震」と明記のこと
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