ハンガーゼロ活動報告/コンゴ民主共和国 | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

ハンガーゼロ活動報告/コンゴ民主共和国

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報告:ジェロム・カセバHOLC代表

HOLC活動地.jpgHOLC(ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ)は、コンゴ民主共和国全土で実施している全てのプロジェクトが、コンゴの地域社会に永続的な影響を残すことを目標に活動しています。今回の訪問で活動に参加している地域住民がこの目標のもと、困難の中でも常にビジョンに向かって前進している姿を見ることができました。

 2019年の初めに、HOLCは数年に亘る事業計画を策定しました。その中には、地域開発と変革、人材育成(トレーニング)、パートナー開発、平和構築と和解のためのプログラムがあります。これらの戦略を農業・畜産プロジェクトなどの取り組みを通して実施し、地域の成長を促しています。またこれら4つの戦略のうち、すでに地域開発と平和構築と和解のプログラムは実施されていますが、パートナー開発と人材育成の訓練は、コロナ感染大流行のあとゆっくりと進行しています。

【プウェト】

活動地のうちすでに3地域が自立

 10年前HOLCがルブンバシでパメラさんという国内避難民のグループリーダーと出会ったことからプウェトでの活動が始まりました。彼は2013年にルブンバシで開催された国際飢餓対機構のセミナーに参加し、その後プウェトに戻り、学んだことをルブア村で実践し変革に向けた活動に取り組み始めました。

 彼のリーダーシップ、前向きな考え方、またHOLCが国内避難民を対象に実施した変革に関するセミナーを通して、そのメッセージはプウェトの町全体に影響を及ぼし、他の地域も自らの地域の自立と発展を求めてそれに倣うようになりました。

 プウェトの13の地域のうち私たちが活動をしてきた3つの地域(ルブア、チャンフブ、ルンキンダ)が、すでにHOLCからの支援を受けなくても自活できるようになっています。この地域は、収穫した種子を十分に得ることができており、他の地域にも分け与えています。

 私たちの目標は、地域が他者に依存することなく、神から与えられた力を活かし可能性を信じて自ら成長し続けること、そして多くのメンバーが土地を所有できる者となり、家族、特に子どもたちの教育を支えていけるようになることです。

 HOLCは、指導、訓練、精神的な支援に加え、地域が学んだことを他の村にも広げるよう奨励しています。

 現在、プウェトの3つの地域が成長を続けており、他の地域を支援しています。また国有地を借りていたメンバーの多くが自分たちの農地を手に入れ、独立していることに感謝しています。現在このプログラムに関わっている村は13あり、受益者数は1,507人います。

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[プウェトの受益者の声]

 「私たちは貧困に苦しんできました。食事は1日1回しかとれず、子どもたちは空腹で学校にも行かず将来に希望が持てませんでした。日本からの支援とHOLCのトレーニングによって、私たちは希望が与えられました。状況は徐々に改善され、今ではトウモロコシや野菜の収穫で、1日2食は食べられるようになりました。私たちの目を開かせてくれた支援と励ましに心から感謝しています。今日、子どもたちはみんな学校に通っています。」(カシワ マリー㊿、5人の子どものシングルマザー)

【カレミ】

和解の体験を他の村人に伝える動きも

 HOLCが和解のためのプログラムの一環としてカレミで活動を始めてから4年になります。この地域では、20年近くピグミー族とバントゥー族との間で緊張と紛争が続き、多くの人々が命を落としました。これら2部族間の和解プログラムを促進するためにHOLCは以下の段階を踏んで取り組んできました。

1食料支援

2平和、愛、赦し、平和共存に基づく和解のための学び

3考え方の変革(mindset)に関する研修と農業

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活動の開始(2021年)

試験的に選ばれたルフンクウェ村からすべてが始まりました。HOLCは2つの部族に、争いをやめ互いを赦して発展の道を受け入れ、平和の中で共に生きることを選択するよう背中を押し、人々はこの開発活動を始めることを決意しました。

 2021年に2つの部族は同じ土地で農業を始め、村全体が大きな成果をあげました。それ以来、メンバーは近隣の村にこの意義を伝え、ムヨンビ、カトロ、カトロ・イディ、ルコンデ村などの村を団結させることに成功しました。人々は平和だけが発展の鍵であることを理解できるようになり、ルフンクウェ村に倣って、農業活動に取り組んでいます。現在、彼らはキャベツ、トマト、ナスを市場で販売し、受益者2,524人の家族はお腹いっぱい食べることができています。これらの村では過去4年間争いは一度も起こっていません。地元の教会だけでなく村長たちもこの活動に関わっていることに重要な意義があります。

結論

 飢餓と貧困の根本的な原因は「考え方」にあり、紛争の根本原因が飢餓と貧困であるのは事実です。

 HOLCの活動で最も重要なのは、自らの潜在能力を人々に気付かせ、人道的支援から持続可能な開発へと人々を導くことですが、考え方の変革、生活の安定の欠如、食料価格の高騰、文化的な問題(部族間の対立)、弱い国家経済とインフレ、貧困と貧弱な保健システムなどといった課題はあります。

 しかし現在私たちが支援する地域だけでなく、地元当局にも良い影響と成長が見られるようになり多くのメンバーの生活も徐々に改善されてきています。そして家族には食べるものがあり、子どもたちのほとんどはそれぞれの学校に通えるようになりました。このような素晴らしい変化はすべて、日本の皆さまの支援なしには起こりえませんでした。HOLCと18の村すべての住民は、皆様のあらゆる支援に感謝しています。皆様の支援により人々の命が日々守られています。

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