住民主体で持続可能な地域に向かうアルサビ村 | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

住民主体で持続可能な地域に向かうアルサビ村

酒井保.jpgHOLPFI 酒井駐在員

地域開発支援

【アルサビ村】

アルサビ小学校
 昨年の4月に状況確認の時に訪れた時、先生から「今年正式に本校と認可されたことで、ソコロ県政府からの予算で、教務室の建設の予算が確保出来た」と喜んで話してくれました。
 その後10月に訪問して驚いたのが、教育省の規格にのっとったコンクリート製の校舎の建設が始まっていたことです。ただ工事は12月からの雨季で一旦中断したため、完成は2月末以降となる見込みです。

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建設中のアルサビ小学校校舎(2教室とトイレ)

アルサビ地区の土地問題の進展
 土地問題で残っているのは、教育省へ寄贈する9千坪余りのうち、政府が登録簿を失い、再登記をしないといけない部分です。今年になって新たな展開がありました。対象の土地が、政府に認められた「原住民固有の土地」の可能性があり、手続きが止まってしまいました。それが確かにそうだとなると、その土地を管理する管理局と教育省とで合意書が作成され、教育省の土地となります。

村の水問題
 村には4ヵ所に水場があります。2つは学校用、2つは村の人たち用です。村人は水場まで水を汲みに来て、家に持ち帰ります。
 学校の先生がホースの先にペットボトルの飲み口の部分を取り付けて水を留められるようにして下さったのですが、幼い子どもたちには閉めるのは難しく、また蓋がなくなることもあります。村の人に水を大切に使うことを学んでもらうためにスタッフは根気強く働きかける一方、皆が話し合ってコミュニティ側の2箇所で、コミュニティの貯蓄からお金を出して蛇口が取り付けられました。


4-3アルサビリーダーたち.jpgリーダーの資質
 来年度の6月でアルサビ村での活動を終了するので、村のリーダーの中から選ばれた4名がVOC(コミュニティがビジョンをもって自らの村を開発する手法)に基づいてコミュティ開発を導いていけるようトレーニングをしています。トレーニングを受けている4人のうち2人は小学校4年、1人は2年生まで終了した人たちです。スタッフが忍耐をもって、理解できるよう色々と工夫を凝らしています。
 持続可能な開発を考える時、住民の人たちが外部からの助けを待ち続けるのではなく、まず自分が率先して与えられた資源を最大限に用いてできることから取り組んでいけるリーダーが育ち、周りの村にも広がっていくことを願っています。

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村の様子 
 久々の村の訪問で一番驚いたのは、子どもの数(2才以下の赤ちゃん)がものすごく増えていたことです。教育省の人が村人に、学校を続けていくにはもっと子どもの数が必要だと伝えたとのこと。これは、アルサビ村以外の人たちに子どもを学校に行くように励ましなさいという意味だったと思うのですが、自分たちの子どもを増やすと理解した結果のようです。

 

【ファグリブワン村】 
 ファグリブワン村には2019年から訪問を始めました。西ミンドロ州の南部に位置し、まず最寄りの村で1 泊して午前中に山道を歩いて移動します。
 支援活動をどのようにするかを計画するために、私たちは1 年程度具体的な支援活動はせずに人々の理解に努めます。
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ここもコロナの影響で訪問ができなくなっていましたが、2021年にスタッフがワクチン接種に同意し接種記録カードを得たことで訪問が再開できるようになりました。2022年は以前の計画のフォローアップです。新しい考え方や進め方を繰り返し話し理解を深めていきます。

村の様子
 この地域に一番近い泉は、乾季には充分な水量がなく、それが一番の課題です。またNPA(新人民軍:共産ゲリラ)も近くにいて、ここの地域の人々の生活の安定は、間接的に彼らに利する可能性もあります。12月は現地から、来ないようにという連絡があり、訪問はキャンセルされました。支援の方法についてはより慎重さを要すると考えています。
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