ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2022年09月29日
<連載21> 変わるものと変わらないもの
2022年3月5日、高地コンフィタル 村でFH注の支援を受けていた10歳・ 小学校5年生のエルリンダちゃんが亡くなったという知らせが日本に帰国中だった私に届き、私は深い悲しみに襲われました。彼女はバス道の料金所付近で運転手たちにお茶を売っていた時に、トレーラーにひかれて亡くなったのです。彼女について、担任の先生は「彼女は勉強が好きでいろいろな事に興味を持ち、夢を抱く少女で非常に責任感がありました。何よりも正直で明るい子でした」と言っておられました。また6人姉弟の長女である彼女は家族をよく助け、週末になるとお母さんとお茶や食べ物を売って家計を助けていました。お母さんを助けることは彼女にとってはとても嬉しい事で、「弟や妹たちが困ることがないように手伝っている」と話していました。
悲しみが癒えない両親を訪ねて
私はボリビアへ戻った後5月6日に現地スタッフ二人と共にエルリンダちゃんのご家族を訪問しました。彼女のお母さんは「あまりのショックで、最初のうちは悪夢にうなされ、とても苦しかった。最近はようやくそれを見なくなった。まだ悲しくてたまりませんか、ほんの少し落ち着いてきたところです。」お父さんは「まだエルリンダがいないことが信じがたい。すごく寂しい」と言っておられました。 私たちは、以前地域のキリスト教会に集い神様を信じている彼らに、聖書の言葉を用いて慰めるとともに、エルリンダちゃんに天国で会える希望について話をし、神様からの慰めと励ましがあるようにと祈りました。そして聖書と讃美歌集、素敵なブックマーカー(しおり)をプレゼントしました。
またFH スタ ッフのエドワルドさんは、あることが原因で夫のカシミロさんが妻のベルナルディーナさんに頻繁に暴力をふるっていたことを知って いたので、今回の訪問で"夫と妻に対す る神様のみこころ"を聖書の言葉から 説明し、互いに愛し合い尊重し合うことを勧めました。またエドワルドさん はご夫妻に「お互いに和解・赦し合う ための祈りをしましょう」と促し、私たちスタッフが讃美歌を歌っている間、 ご夫妻はひざまずいて肩を抱き合い和解の祈りを捧げました。そして現在、地域の重責を担って忙しくしているお父さんのカシミロさんに「家族を大切にし、時間を割いて関わり助けること」も勧めました。お二人ともこの訪問と夫婦お互いの和解の時をとても喜び、涙されていました。私たちは今後もこのご家族に継続して関わっていきます。エルリンダちゃんのご遺族の為に皆様のお祈りを宜しくお願い致します。
注)FH=Food for the Hungry 国際飢餓対策機構