失敗も糧にしつつ地域変革 | 活動報告|ハンガーゼロ

活動報告

ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。

失敗も糧にしつつ地域変革

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報告・ジェロム・カセバHOLC 代表


 コンゴは乾季に入り、涼しい気候になりました!ルブンバシの最高気温は約25℃、最低気温は12℃です( 信じられませんね!)。しかし、この涼しい気候は2ヵ月しか続かず、8月末からはまた猛暑に戻ります。この涼しい乾季の砂埃が舞う中、HOLC スタッフ3名と一緒にルブンバシ、プウェト、カレミーを訪れました。地域が取り組んでいる持続可能な活動の視察と評価が目的でした。(カレミーとザンビアの報告は次号でいたします。)これらの活動地域に向かう前に、まずキンシャサで行われている孤児たちの給食プログラムの活動を視察しました。

キンシャサ、ルブンバシの孤児院で給食提供
 
 キンシャサでの給食プログラムは、おおむね順調に進んでいます。キンシャサの112 人の子どもたちは、それぞれ元気に学校に通っています。私たちの支援と他団体の支援(食料品を提供)により、孤児院の子どもたちは1 日1 ~ 2回の食事をとっています。また孤児院ではキャッサバ、トウモロコシ、地元の野菜などをキンシャサ郊外で栽培して、孤児院で暮らす子どもたちが必要とする食料を確保しています。この農作業は、HOLC が地元のリーダーたちに研修を行い自立心を促した結果、2020年から孤児院のリーダーたちによって行われるようになりました。このことは持続可能な地域づくりに欠かせない、自立して働くという考え方の実践に役立っています。孤児院は昨年10袋以上のキャッサバを生産することができました。
 ルブンバシでも同じように給食プログラムが中断されることなく順調に進んでいます。

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農業プロジェクトおよびプウェト村の人々との出会い

 プウェトに到着して数時間後、今年の農作物は不作であるという悲しい知らせが飛び込んできました。2014年からプウェトの地域ではとても良い収穫を得られていました。しかし今年はこの地域の雨不足のため、芳しくありませんでした。その上、食料品を含む輸入品の価格が高騰し、すでに苦境に立たされている地元の人々にとって、事態はより深刻なものとなっています。(ロシアとウクライナの戦争が原因です)。
 地元のリーダーを交えた地域の会議では、新メンバーを発表、また地域のメンバーが約束事を守るように再指導すること、地域の土地の問題など、さまざまな点について話しましたが、最も話題になったことは、今年の農作物が不作に終わったことでした。会議を締めくくるにあたって私はメンバーに、愛の中で生き、働き、愛がすべてに優先するようにとお願いしました。
 地域のリーダーたちとともに、私たちは活動を改善し、より良い結果を得るための方法に焦点を当てました。地域の人々は日々の困難や今後どのように前進していくつもりかを分かち合ってくれました。
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人々を励まし続けるHOLC のパメラ

 一般的にプウェトは雨が多い地域ですが今年の状況は違いました。雨量が足りないのです。多くの作物が、芽を出すことができませんでした。農家は収穫も、収入も、食料の供給もままならない状況でした。このような状況にもかかわらず現地の人々は、来年はきっと良い収穫があると、前向きであるように見えました。私は彼らに、神を信頼し続け、今年とこれからの数年間にもっと多くの雨が降るように祈ることを勧めました。HOL Cのリーダーのパメラはとても元気で、健康状態も良好です。彼は人々を励まし続け、村の中で良い模範となっています。最後に、西南学院中学校・高等学校(福岡)から寄贈されたマスクを配布しました。日本からの貴重なマスクを受け取って、みんな喜んでいました。
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2021-2022年シーズンの収穫について

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 この農期(2021-2022 年)には、ピーナッツのほか、トウモロコシ、キャッサバ、米などの作物を植えることを、地域間で話し合って決めました。すべての地域がそれぞれ1 ヘクタールのピーナッツを栽培しました。このための準備は 2021年9月から始まり、12月頃に終了しました。
 収穫は2022年4月頃から行われ、6月頃にすべての地域で終了しました。収穫が段階的に実施されたことが重要な点です。それは各地域の土地の肥沃度が異なり、その土地の状態によって作物が実るスピードが違うので、土地の状態に合わせて調整されたことです。また、マンパワー不足の問題があったため、農作業に取り掛かるタイミングをずらすことで、労働力が分散しないように工夫をしました。一般的に、雨不足のため、どの地域でも収穫は芳しくありませんでした。この不安定な天候は、私たちの地域だけでなく、他の村の農家にとっても容易なことではありません。
 収穫量は、全地域で20袋でした。通常、十分な雨が降れば、50袋のピーナッツを収穫することができます。

決意と覚悟をもって前進し続ける

 プウェトの地域の人々には回復力があります。この失敗を彼らは次の季節に役立つ経験と捉えています。それはこの問題を回避するために、種まきを始める時期を正確に知ることです。日々の困難にもめげず、あきらめずに前進し続ける。幸いなことに、この失敗があっても地域を変えていこうという彼らの決意と覚悟は変わっていません。これからプウェトの地域の活動はさらに拡大していくと思います。 パメラや地元のリーダーたちが行っている活動に、新しい村々が関心を寄せているからです。
(次号に続く)

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