ハンガーゼロの様々な活動の報告をいたします。
2022年04月22日
【ポーランドで緊急支援対応をしているハンガーゼロの浅野陽子スタッフからの報告です】
建物に入りきれないほどの人が集まっている「ワルシャワ バプテスト教会」を4月17日に訪れました。ロシアのクリミア侵攻の時の避難民で、5年前からこの教会のウクライナ人礼拝を行っているミーシャ牧師にお話を伺いました。
多岐にわたる教会の支援
「ロシアの侵攻前は、教会に集うウクライナ人は250人ほどだったが、いまでは600人以上、正確な数はもはや把握できないほどです。教会には難民の方々が持ち帰れるように物資部屋がつくられて、衣服、オムツ、トイレットペーパー、ハブラシ、食料品などが置かれています。侵攻が始まったのが2月24日で、みんな冬服で逃げてきたので、春物の衣類を大量に購入する資金が必要です。教会ではワルシャワの避難民の方々への支援と共に、ウクライナ国内に食料、飲料水、医薬品などの物資を運んで希望する方々を脱出させる手助けをしています。ここで必要とされることは想像を超える大きさで、どう持続させていくかが目下の課題です。」
ポーランド政府がウクライナ避難民に対して社会保障番号を発行しており、それを取得すると公共サービスを利用できるようになるため、その取得の手助けや長期的な住居の確保など教会の支援は多岐にわたっています。今、ワルシャワの5人に1人がウクライナ人で、いま最大の課題は一気に増えた人たちにどうやって仕事を見つけるかということのようでした。
圧倒的に不足している心のケア
「物資支援は引き続き必要ですが、同時に心のケアが圧倒的に不足しています。ウクライナの避難民は女性が多く、安心して集まり心の内を話せる場所が必要なので、礼拝後に別の場所を用意して自由に話し、祈り合う時間を設けています。教会では心を許して話せるので、その必要に応えるためトラウマ カウンセリングのトレーニングの準備を進めているところです。」
トレーニングの準備のために教会を訪れていた米国人宣教師(ウクライナに長くいて言葉が通じる)と話すウクライナの方々は、自分の体験や悩みを涙ながらに打ち明けていました。
全てを失う人生二度目の体験で落胆
お話を伺うことができたドネツク出身の女性は、ロシアのクリミア侵攻の時、キーウに避難して生活を再建し、イルピンに家を建てて入居した矢先に今回の侵攻が起こり、一生懸命働いてやっと建てた家が全壊した、と涙ながらに話しておられました。また人生に二度もすべてを失う体験をし、50歳過ぎて言葉も通じない国でどうやって働き生きていけばいいのかと途方に暮れていました。避難している人はみんな残っている家族や友人のことを心配すると同時に、自分が逃げた後ろめたさに苛まれています。
もう一人のオデーサ出身の若い女性は、元は幼稚園の先生をしていたが、今はウエイトレスとして働くしかないと悲しそうに話していました。
(注)この動画は本文の方ではありません
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